「総合原価計算」とは
総合原価計算とは、同じ規格の製品を続けて大量に作る場合に、一定期間にかかった製造費用の合計を、その期間に完成した数量で割って製品1個あたりの原価を求める方法である。
📌 投資判断のポイント
同じ製品を大量に作る工場で、期間中の製造費用の合計を完成数量で割って1個あたりの原価を出す方法。作りかけの仕掛品は進捗度で完成品に換算する
総合原価計算はどういう仕組み?
食品、化学製品、紙、鉄鋼のように同じ製品を流れ作業で作る業種では、注文ごとに費用を分けるのが難しい。そこで、例えば1か月分の材料費・労務費・経費をまとめて集計し、完成品と作りかけの仕掛品に分けたうえで、完成品の数量で割って単位あたりの原価を出す。月末に残る仕掛品は、どこまで作業が進んだかを示す進捗度を使って完成品に換算するのが特徴である。工程が複数あれば工程ごとに計算する工程別総合原価計算も使われる。
総合原価計算の具体例と注意点は?
例えば1か月の製造費用が100万円で、完成品が900個、進捗度50%の仕掛品が200個あれば、仕掛品は完成品100個分とみなし、1個あたりの原価は100万円÷1,000個で1,000円と考える。進捗度の見積もりがずれると完成品の原価も変わるため、計算の前提を確かめることが大切になる。注文ごとに計算する個別原価計算とは、向いている業種が違う。
個別原価計算との違い
注文ごとに仕様が違う製品を作る場合は、製造指図書ごとに費用を集める個別原価計算が使われる。総合原価計算は、製品1個ごとの違いが小さく、期間で区切って平均的な原価を出すほうが合理的な場面に向く。どちらの方法でも、原価を正しくつかむことが、販売価格の設定や利益の管理の出発点になる。
原価を下げる考え方
総合原価計算では、1か月の固定的な費用が同じでも、完成数量が増えれば1個あたりの原価は下がる。例えば月の固定費が50万円で、完成数量が1,000個から1,250個に増えれば、1個あたりの固定費は500円から400円になる。大量生産の工場が稼働率を重視するのはこのためである。ただし、売れる見込み以上に作ると在庫が積み上がり、保管の費用や値下げの損失が出る。原価の計算と販売の計画をセットで考えることが大切である。工程ごとの不良品の発生も原価を押し上げるため、歩留まりの管理も原価計算と深く関わる。
関連して知っておきたいこと
あわせて押さえたいのは、注文ごとに費用を集める個別原価計算、目標の原価と比べる標準原価計算、そして作りかけの製品を含む棚卸資産の考え方である。仕掛品の金額は貸借対照表の在庫にも表れるため、決算書を読むときの手がかりにもなる。
関連用語
注文ごとに製造指図書を作り、材料費・労務費・経費を集めて製品の原価を出す方法。仕様が一つずつ違う受注生産に向き、注文ごとの利益を確かめられる
製品ごとにいくらかかったか直接たどれない、工場の光熱費や設備の減価償却費などの共通費。作業時間などの基準で各製品に割り振って原価に入れる
売れた分だけを費用にするのが売上原価の考え方。期末在庫の数え方ひとつで利益が動くため、在庫が売上より速く増えていないかを合わせて確かめると、決算の数字の確かさが見えてくる。
販売のために持つ商品・製品・仕掛品・原材料などの総称で、貸借対照表の流動資産に計上される。期末の評価額が売上原価と利益を左右する。売上が伸びないのに増えているなら売れ残りを疑う。
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