償却前営業利益

企業分析
よみ:しょうきゃくまええいぎょうりえき
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「償却前営業利益」とは

営業利益に減価償却費とのれん償却額を足し戻した利益で、本業が生む現金創出力に近い数字として使われます。

📌 投資判断のポイント

営業利益に減価償却費などを足し戻し、本業の現金創出力に近づけた利益です。設備投資の負担が重い企業の実態をつかみやすい一方、更新投資を無視した数字である点に注意します。

詳しい仕組み・意味

減価償却費は、過去に支払った設備投資の金額を耐用年数にわたって費用配分したものであり、その期に現金が出ていく費用ではありません。そのため、営業利益に償却費を加え戻すと、本業から生まれる現金の大きさに近い金額が得られます。設備投資の負担が重い装置産業や、買収で多額ののれんを計上した企業では、営業利益だけを見ると実態より小さく映ることがあるため、この指標が補助として使われます。国際的にはEBITDAと呼ばれる指標が近い考え方にあたります。有利子負債をこの利益で割った倍率は、借入の返済余力をみる目安として金融機関やM&Aの現場で広く使われています。

具体例・注意点

償却費を足し戻した数字は、設備の更新に必要な支出を無視した金額でもあります。長期的には設備は入れ替えが必要なので、この利益が大きいことがそのまま余裕を意味するわけではありません。設備投資額や営業キャッシュフローと並べ、償却費に見合う投資が続いているかを確認することが大切です。会社によって計算に含める償却費の範囲が異なる点にも注意が必要です。法律で定義された利益ではないため、他社と比べるときは各社の算定式をそろえる必要があります。減損損失を計上した期は営業利益が大きく沈むため、この利益との差が特に開きます。

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