費用収益対応の原則

企業分析
よみ:ひようしゅうえきたいおうのげんそく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「費用収益対応の原則」とは

ある期間の収益と、その収益を得るためにかかった費用を同じ期間に対応させて利益を計算する、という会計の考え方。

📌 投資判断のポイント

売上と、その売上を生んだ費用を同じ期に並べる考え方。仕入れ代を在庫として翌期に回したり、機械の代金を年数で分けたりするのは、その期の本当のもうけを見せるためである。

費用収益対応の原則はどういう仕組み?

会社の利益は、お金が出入りした時点ではなく、取引が起きた時点で収益と費用を認識する発生主義で計算する。そのうえで、売上という成果と、その成果を生んだ費用を同じ期に並べることで、その期の本当のもうけが見えるようにするのが費用収益対応の原則である。売れた商品の仕入れ代を売上原価として売上と同じ期に計上し、売れ残りは在庫として翌期に回すのが代表例。何年も使う機械の代金を、使う年数に分けて減価償却費として配分するのも、この考え方に基づく。対応のさせ方には、商品と売上のように個別に結びつける方法と、家賃や給料のように期間で結びつける方法がある。

費用収益対応の原則の具体例と注意点は?

例えば1月に100万円で仕入れた商品のうち、3月の決算までに売れたのが60万円分なら、今期の費用になるのは60万円で、残る40万円は在庫として翌期の費用に回る。仕入れた額をすべて今期の費用にすると、今期の利益は小さく、翌期の利益は大きく見えてしまう。逆に、費用を先送りしすぎると今期の利益が膨らむため、在庫や前払いの金額が売上に比べて増えすぎていないかを見ることが、決算書を読むうえでの確認点になる。

お金の出入りとのずれ

この原則で計算した利益は、その期に実際に入ってきた現金とは一致しない。在庫を多く仕入れた期は、利益はあまり変わらなくても現金は大きく減る。利益と現金の動きの違いを確かめるには、キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローと当期純利益を並べて見るとよい。

身近な例で考える

例えば1年分の保険料12万円を4月にまとめて払った個人事業主なら、その年の12月までの9か月分の9万円がその年の費用になり、残る3万円は翌年の費用になる。払った年にすべてを費用にしないのは、保険で守られている期間と費用を対応させるためである。会社の決算書の前払費用や減価償却費は、この考え方を数字にしたものと理解すると読みやすい。

この原則があるおかげで、大きな設備投資をした年だけ極端な赤字になる、といった見え方の偏りが避けられる。ただし、費用の配分には見積もりが入るため、会計方針の変更で利益が動くことがある点も知っておきたい。

関連用語

企業分析 の他の用語

🏷 関連タグ

会計原則 損益計算書 発生主義

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る