低価法

企業分析
よみ:ていかほう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「低価法」とは

低価法とは、在庫の評価で、仕入れなどにかかった金額(原価)と期末の時価を比べ、低いほうの金額で評価する方法である。

📌 投資判断のポイント

在庫を原価と期末の時価の低いほうで評価する方法。値下がりした在庫を帳簿上も下げて損失を早めに認識できる。税務で使うには届け出が必要

低価法はどういう仕組み?

在庫は原則として原価で帳簿に載るが、値下がりして原価で売れる見込みがなくなっても原価のままだと、資産を大きく見せてしまう。低価法は、時価が原価を下回ったときに時価まで評価を下げ、その差額を費用にする考え方である。法人税では、原価法と低価法のどちらかを選べ、低価法を使うには評価方法の届け出が必要になる。個人事業では青色申告者だけが選べる。会計基準では、通常の販売目的の在庫について、売れる見込みの価格から販売の費用を引いた額が帳簿の金額を下回れば切り下げることが求められており、実質的に低価法の考え方が義務になっている。

低価法の具体例と注意点は?

例えば原価1万円の商品が流行遅れになり、期末には7,000円でしか売れない見込みになったとする。低価法なら在庫を7,000円で評価し、3,000円を費用として計上する。利益は小さくなるが、在庫の金額が実態に近づき、翌期に安売りしたときの損失を前倒しで認識できる。原価が回復した場合の扱いや、評価の単位(品目ごとか、まとめてか)にもルールがあるため、税務で使う場合は届け出た内容と計算方法をそろえておく必要がある。

在庫評価損との違い

低価法は在庫をどう評価するかという方法の名前で、在庫評価損は評価を下げた結果として計上される損失の名前である。低価法を使った結果、原価と時価の差が在庫評価損として表れる、という関係になる。会計では評価損は原則として売上原価に含め、臨時で多額のものは特別損失に計上することもある。

決算書を読むときの注意点

在庫評価損が前年より大きく増えているときは、売れ残りや値崩れが起きている合図になりうる。例えば売上高に対する在庫評価損の割合が1%から3%に上がれば、粗利率はその分押し下げられる。在庫の回転が遅くなっていないかと合わせて確かめると、一時的な処分なのか、構造的な売れ残りなのかを見分けやすい。決算の直前に大量の在庫を処分したり、評価を下げたりして利益を調整していないかという視点も、決算書を読む人には欠かせない。

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