キチンの波

景気循環
よみ:きちんのなみ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛
🗂 経済・景気・政策を読む ★★ 標準

「キチンの波」とは

企業の在庫の増減によって生じる、約40か月周期のもっとも短い景気循環です。

📌 投資判断のポイント

企業の在庫の積み増しと取り崩しが生む約40か月の短い波。半導体や素材の業績に強く表れる一方で周期は一定せず、経過年数だけで底や天井を当てる使い方はできない。

詳しい仕組み・意味

1923年に米国の経済学者ジョセフ・キチンが指摘した循環で、在庫投資が主な原因とされます。需要が伸びると企業は生産を増やして在庫を積み上げますが、需要が鈍ると在庫が過剰になり、生産を絞って在庫を減らします。この積み増しと取り崩しの繰り返しが、およそ3年前後の波を作ります。景気循環は原因の違いによって4つに分類するのが通例で、短いほうからキチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波と並びます。半導体や素材のように受注から納品までの期間が長い産業では、この波が価格や企業業績に強く表れます。

具体例・注意点

半導体の不足と在庫調整が数年おきに繰り返されるのは、この波の典型です。ただし周期は一定ではなく、40か月はあくまで目安です。前回の谷から3年たったからそろそろ底だ、という使い方は根拠になりません。実際の判断は、在庫循環図や景気動向指数といった実数で確かめる必要があります。

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