GHGプロトコル

リスク管理
よみ:じーえいちじーぷろとこる
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「GHGプロトコル」とは

GHGプロトコルとは、企業などの温室効果ガスの排出量を計算して報告するための国際的な基準です。世界資源研究所(WRI)と持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が中心となって作りました。

📌 投資判断のポイント

温室効果ガスの排出量を計算・報告する国際的な基準。スコープ1〜3の3つに分けて数える。同じ基準でも前提が違えば単純には比べられない。

GHGプロトコルはどういう仕組み?

排出量を3つに分けて数えるのが最大の特徴です。スコープ1は自社の工場や車から直接出る分、スコープ2は買った電気や熱を作るときに出る分、スコープ3は原材料の調達や製品の使用など、取引先を含む流れ全体で出る分です。計算の方法がそろうことで、会社どうしを比べたり、年ごとの変化を追ったりできるようになりました。ISSBの基準や日本のSSBJ基準でも、排出量の計算の土台として扱われています。

GHGプロトコルの具体例と注意点は?

例えば自動車メーカーでは、販売した車が走るときの排出がスコープ3に入るので、全体の中でスコープ3が大きな割合を占めることがあります。スコープ3は取引先の実測値ではなく、平均的な係数を使った推計も多いので、精度には限りがあります。そのため、同じ基準を使っていても、前提が違えば数字をそのまま比べることはできません。読むときは、どの範囲を数えたのか、第三者の確認を受けているかまで確かめるのが現実的です。

スコープ1・2・3の違い

自社で燃料を燃やせばスコープ1、電力会社から買った電気の分はスコープ2、それ以外の取引の流れで出る分がスコープ3です。スコープ3はさらに15のカテゴリーに分かれ、原材料の購入、出張、販売した製品の使用や廃棄などが含まれます。同じ排出を別の会社が別のスコープで数えることもあります。

読むときのポイント

この基準を使うと、電気を再生可能エネルギーに切り替えた効果はスコープ2に、取引先と協力した削減の効果はスコープ3に表れます。削減の目標が、どのスコープを対象としているかを確かめることが大切です。スコープ1と2だけの目標なら、取引先を含めた排出の大半が対象から外れている業種もあります。

よくある誤解

この基準は1998年に作業が始まり、企業向けの基準の改訂版は2004年に公表されました。「法律だから必ず従う」というのは誤解で、基準そのものは民間の枠組みです。ただし各国の開示の基準に取り入れられることで、事実上の共通の物差しになっています。

出典: 環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」

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