債務超過

リスク管理
よみ:さいむちょうか
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「債務超過」とは

会社の負債の合計が資産の合計を上回り、純資産がマイナスになっている状態。持っている財産をすべて売っても、借金を返しきれない計算になる。

📌 投資判断のポイント

負債の合計が資産の合計を上回り、純資産がマイナスになった状態。すぐ倒産するとは限らないが、借入れが難しくなり、上場会社では上場廃止基準にもかかわる。

債務超過はどういう仕組み?

貸借対照表では、資産の合計=負債の合計+純資産の合計が常に成り立つ。赤字が続いて利益の積み立て(利益剰余金)が大きくマイナスになると、出資金を食いつぶして純資産がマイナスになる。これが債務超過である。ただし貸借対照表の資産は原則として買った時の値段などで記録されるため、土地の時価が帳簿の値段より高ければ、実際には返済できることもある。逆に、売れない在庫や回収できない売掛金が資産に残っていれば、実態はもっと悪い。

債務超過の具体例と注意点は?

資産が8億円、負債が10億円の会社は、純資産がマイナス2億円の債務超過である。債務超過になると金融機関からの新しい借入れが難しくなりやすい。東京証券取引所の上場廃止基準には、債務超過の状態が一定期間(原則1年以内)に解消されない場合が含まれているため、上場会社では増資などで解消を急ぐことが多い。

出典: 日本取引所グループ「上場廃止基準」

資金ショート・倒産との違い

債務超過は貸借対照表で見た「財産と借金のバランス」の問題で、すぐに倒産するとは限らない。支払いに必要なお金があれば会社は続く。反対に、債務超過でなくても手元のお金が尽きて支払いができなくなれば、黒字倒産のように行き詰まる。財産のバランスと資金繰りは分けて確かめる必要がある。

決算書のどこを見るか

債務超過かどうかは、貸借対照表の「純資産の部合計」がマイナスになっているかで分かる。上場会社なら決算短信の1ページ目に純資産と自己資本比率が載っている。自己資本比率がマイナスなら債務超過である。ゼロに近づいている会社は、あと1〜2年の赤字で債務超過に陥るおそれがあるため、赤字の原因が一時的なものか、続くものかを確かめる。中小企業では、社長からの借入金を資本とみなして判断する金融機関もあり、帳簿上の数字だけでなく借入れの相手先も見られる。

債務超過から抜け出す方法には、利益を出し続けて純資産を積み上げる、新たに出資を受ける(増資)、借入金を資本に振り替える(デット・エクイティ・スワップ)などがある。

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