早期警戒制度

制度・取引
よみ:そうきけいかいせいど
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「早期警戒制度」とは

自己資本比率の基準を下回る前の段階で、銀行の経営の悪化の兆しをつかみ、早めに改善を促すための金融庁の監督の仕組み。自己資本比率の水準に応じて命令を出す早期是正措置を補う位置づけにある。

📌 投資判断のポイント

自己資本比率が基準を割る前に銀行の悪化の兆しをつかみ、改善を促す金融庁の監督の仕組み。収益性・信用リスク・安定性・資金繰りの4つの改善措置で構成される。

早期警戒制度はどういう仕組み?

金融庁の監督指針によると、早期警戒制度は4つの改善措置で構成される。基本的な収益指標をもとにする収益性改善措置、大口与信の集中状況などを見る信用リスク改善措置、有価証券の価格変動などの影響を見る安定性改善措置、預金の動向や流動性準備の水準を見る資金繰り改善措置である。基準に該当した銀行には、ヒアリングや報告を求め、必要に応じて改善計画の提出などを求める。

早期警戒制度は2002年に導入され、その後も金融環境の変化に合わせて見直されてきた。近年は、低金利の長期化で収益が細った地域銀行や、金利上昇で保有債券の評価損が膨らむ銀行への目配りが課題とされている。対象となる指標や基準の細部は、監督指針で銀行の種類ごとに定められている。

早期警戒制度の具体例と注意点は?

国内の銀行は国内基準で自己資本比率4%が最低水準とされ、これを下回ると早期是正措置の対象になる。早期警戒制度はその手前で働くもので、たとえば金利が1%上昇したときに保有する債券の評価損がどれだけ出るかといった市場リスクの大きさも点検の対象になる。どの銀行が対象になったかは原則として公表されないため、預金者が外から見て判断する材料にはならない。

早期是正措置との違い

早期是正措置は自己資本比率という客観的な数値で発動され、業務改善命令など法的な措置を伴う。早期警戒制度はより幅広い指標で予防的に働き、銀行との対話を通じて改善を促す点が特徴である。2つを組み合わせることで、問題が深刻になる前に手を打つ監督の体系がつくられている。

銀行の健全性は、預金者にとっては預金保険の上限である元本1,000万円を超える預金を置くかどうかの判断材料にもなる。

早期警戒制度の結果は個別には公表されないが、銀行が開示する自己資本比率や不良債権比率、有価証券の評価損益は、決算資料で誰でも確かめられる。

出典: 金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」

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