「自己資本規制比率」とは
自己資本規制比率は、証券会社(第一種金融商品取引業者)の財務の健全性を示す指標で、市場の急変などで生じうる損失に対して、すぐに使える自己資本がどれだけあるかを表す。
📌 投資判断のポイント
証券会社の健全性を示す指標で、市場の急変などに備える自己資本の厚さを表す。140%・120%・100%を下回ると段階的に届け出や業務停止などの対象になる。
自己資本規制比率はどういう仕組み?
比率は「固定化されていない自己資本 ÷ リスク相当額 × 100」で計算する。分母のリスク相当額は、保有する有価証券の値下がりに備える市場リスク、取引先の債務不履行に備える取引先リスク、事務やシステムの事故に備える基礎的リスクの合計である。分子からは、すぐに現金化できない固定資産などを差し引く。証券会社はこの比率を定期的に開示しており、投資家は口座を開く会社の健全性を比べる材料として使える。
リスク相当額のうち市場リスクは、保有する株式や債券の種類ごとに定められた掛け目で計算され、値動きの大きい資産ほど大きく積まれる。証券会社は毎月末の比率を金融庁に届け出るほか、3か月ごとに比率を記載した書面を営業所に備え置き、公衆の縦覧に供することが求められている。
自己資本規制比率の具体例と注意点は?
金融商品取引法は、比率が120%を下回らないよう求めている。140%を下回ると金融庁長官への届け出と、比率を維持するための計画書の提出が必要になり、120%を下回ると回復のための計画書を出さなければならない。100%を下回ると、3か月以内の業務停止を命じられることがあり、回復の見込みがなければ登録取り消しもありうる。
自己資本比率との違い
一般の事業会社で使う自己資本比率は「純資産 ÷ 総資産」で、借入に頼らない度合いを示す。銀行の自己資本比率規制(バーゼル規制)は、貸出などのリスク資産に対する資本の厚さを見る。自己資本規制比率は証券会社専用の指標で、短期的な損失への耐性に焦点がある。同じ「自己資本」でも、見ている対象と計算方法が異なる。
主な証券会社の比率は、ウェブサイトの決算資料やディスクロージャー誌で確認できる。なお顧客から預かった資産は分別管理されており、比率が低いことがそのまま預けた資産の毀損を意味するわけではない。比率は一時点の数字なので、数期分の推移で見るのが望ましい。
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