「承継銀行」とは
破綻した銀行の業務をいったん引き継ぎ、預金の払戻しや貸出先との取引を続けながら、最終的な引受け先へ事業を譲り渡すまでのつなぎ役となる銀行。英語のブリッジバンクを訳した呼び方で、預金保険法に基づいて預金保険機構が設立する。
📌 投資判断のポイント
破綻した銀行の業務を一時的に引き継ぎ、受け皿の金融機関へ事業を譲るまでのつなぎを担う銀行。管理期限は原則2年で1年延長でき、日本振興銀行の破綻処理で使われた。
承継銀行はどういう仕組み?
銀行が破綻すると、金融庁長官の処分で金融整理管財人が管理に入り、受け皿となる金融機関を探す。すぐに見つからない場合に、承継銀行が業務を引き継いで取引の空白を防ぐ。管理の期限は管理を命じる処分の日から2年で、1年に限り延長できる。この期間内に事業を譲渡し、承継銀行自体は役目を終える。
承継銀行を設けるかどうかは、受け皿となる金融機関がすぐに見つかるかどうかで決まる。受け皿が早く決まれば、破綻した銀行から直接その金融機関へ事業が譲渡され、承継銀行を経由しない。承継銀行の運営に必要な資金は預金保険機構が出資や資金援助の形で負担し、その原資は各金融機関が納める預金保険料である。
承継銀行の具体例と注意点は?
日本で初めてペイオフが発動された2010年9月の日本振興銀行の破綻では、2011年4月に第二日本承継銀行へ事業が移され、預金保険機構は1,041億円の資金援助を行った。同年12月に第二日本承継銀行はイオン銀行へ売却されている。承継銀行が引き継ぐのは預金保険で守られる範囲の預金などであり、元本1,000万円を超える部分は破綻銀行の財産状況に応じて一部カットされうる。
預金者にとっての意味
承継銀行への移行中も、口座からの引出しや給与・年金の振込みは原則として続けられる。破綻の報道に慌てて窓口へ並ぶ必要がないよう設計された仕組みといえる。ただし、1金融機関あたり元本1,000万円という預金保険の上限は承継銀行でも変わらないため、預け先を分ける判断は平時にしておくほうがよい。
日本で承継銀行の制度が実際に使われたのは、1999年に設立された日本承継銀行と、2010年の第二日本承継銀行の2回である。いずれも受け皿が見つかるまでの限られた期間だけ存続し、事業を引き継いだ金融機関へ売却された。
預金者は、承継銀行への移行で口座番号を変える必要は原則としてない。
出典: e-Gov法令検索「預金保険法」
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