早期是正措置

リスク管理
よみ:そうきぜせいそち
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「早期是正措置」とは

金融機関の自己資本比率が一定の水準を下回ったときに、監督当局が区分に応じて自動的に是正を命じる仕組みです。

📌 投資判断のポイント

自己資本比率が基準を下回ると区分に応じて是正が命じられる仕組み。国際統一基準行は8%以上、国内基準行は4%以上が求められ、0%未満では業務停止が命じられる。

早期是正措置はどういう仕組み?

1998年4月に導入され、銀行法などを根拠としています。眼目は、当局の裁量ではなく客観的な数値を引き金にする点にあります。金融機関はまず自らの資産内容を査定し、その結果として算出された自己資本比率が基準を下回ると、区分に応じた命令が出されます。基準は業態で分かれており、海外に営業拠点を持つ国際統一基準行は総自己資本比率8%以上、国内業務に限る国内基準行は4%以上が求められます。区分が下がるにつれて命令は重くなり、経営改善計画の提出から、増資や業務縮小、合併といった選択を迫る段階へ進みます。

早期是正措置の具体例と注意点は?

もっとも重い区分では、自己資本比率が0%未満、つまり債務超過の状態にあたり、業務の全部または一部の停止が命じられます。数字が基準を下回ってから動くのではなく、下回った瞬間に何が起きるかがあらかじめ決まっていることが、この制度の要点です。預金者から見れば、破綻が表に出る前に手が打たれる仕組みとして理解しておくとよいでしょう。国際統一基準行については、総自己資本比率だけでなく普通株式等Tier1比率やTier1比率にも区分ごとの下限が置かれ、さらにレバレッジ比率にも同じ考え方の枠組みが用意されています。比率の分母となるリスクアセットの計算方法はバーゼル規制で定められており、貸出先の信用力や保有する有価証券の種類によって重みづけが変わります。自己資本を増やすだけでなく、リスクの重い資産を減らすことでも比率は上がるため、規制が銀行の貸出行動に影響するという議論が生まれるのもこのためです。

出典: 金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」金融庁「自己資本比率規制等(バーゼル規制)について」

早期警戒制度との違い

早期是正措置が自己資本比率という結果の数字を引き金にするのに対し、早期警戒制度は収益性や信用リスク、金利リスクなど、自己資本比率に表れる前の兆候に着目して対話を行う枠組みです。比率が下がってからでは打てる手が限られるため、その手前で働きかける仕組みが別に用意されている、という関係になります。

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