「ダブルマテリアリティ」とは
ダブルマテリアリティとは、会社にとっての重要性を2つの方向から考える見方です。環境や社会の変化が会社のお金に与える影響と、会社が環境や社会に与える影響の両方を対象にします。
📌 投資判断のポイント
社会の変化が会社のお金に与える影響と、会社が社会に与える影響の両面で重要性を考える見方。EUの制度が採用し、ISSB基準は投資家向けに焦点を当てる。
ダブルマテリアリティはどういう仕組み?
前者は財務の重要性、後者はインパクトの重要性と呼ばれます。EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)とその報告基準は、この両面からの開示を求める考え方を採っています。一方、ISSBの基準は投資家向けの情報に焦点を当て、会社の見通しに影響する課題を対象としています。同じサステナビリティの開示でも、基準によって見ている方向が違うのです。
ダブルマテリアリティの具体例と注意点は?
例えば工場の排水の問題なら、規制の強化で設備費が増えるのが財務の面、周りの川や住民への影響がインパクトの面です。売上への影響が小さくても、社会への影響が大きければ、インパクトの面からは重要な課題となります。日本の上場会社でも、EUで事業を行う会社は対応を迫られることがあります。ただしEUの制度は見直しが続いているので、対象の範囲や時期は最新の情報で確かめる必要があります。報告書を読むときは、どちらの見方で書かれているかを最初に確認すると混乱を防げます。
シングルマテリアリティとの違い
会社のお金への影響だけに絞る見方は、シングルマテリアリティと呼ばれることがあります。投資家が将来の収益を判断するための情報を重視する考え方です。ダブルマテリアリティはこれに、社会への影響という視点を足します。対象の読み手が投資家に限られないため、開示する情報の範囲は広くなります。
読むときのポイント
ISSBの基準は2023年6月に公表され、日本のSSBJ基準は2025年3月に公表されました。どちらも投資家向けの考え方に沿っています。今は重要でない社会への影響も、将来の規制や評判を通じて、会社のお金の問題に変わることがあります。2つの見方は対立するものではなく、時間差でつながっていると考えると分かりやすいでしょう。
よくある誤解
「日本の会社には関係ない」というのは誤解です。日本の本社に直接の義務がなくても、EUの子会社や取引先を通じて情報を求められることがあります。対象の範囲は見直されているので、最新の状況を確かめましょう。
関連用語
会社の経営や社会にとって特に重要な課題のこと。統合報告書などで公表される。選んだ理由と目標の数字、進み具合まで書かれているかを確かめたい。
IFRS財団のもとでサステナビリティ開示の国際基準を作る国際サステナビリティ基準審議会。2023年6月にIFRS S1とS2を公表した。
ISSB基準をもとに日本のサステナビリティ開示基準を作るサステナビリティ基準委員会。2025年3月に基準を公表し、大規模なプライム上場会社から順に適用される予定。
金額で表せない会社の判断材料で、経営方針・事業リスク・人材・環境・ガバナンスなどを含む。日本では2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の記載欄が新設された。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。