「マテリアリティ」とは
マテリアリティとは、会社の経営や社会にとって特に重要な課題のことです。日本語では「重要課題」と訳され、統合報告書やサステナビリティの開示でよく使われます。
📌 投資判断のポイント
会社の経営や社会にとって特に重要な課題のこと。統合報告書などで公表される。選んだ理由と目標の数字、進み具合まで書かれているかを確かめたい。
マテリアリティはどういう仕組み?
環境・人材・品質など、会社が向き合う課題は数多くあるので、全部に同じように力を注ぐことはできません。そこで、自社の事業と利害関係者の双方にとって重要なものを選び、優先して取り組む課題として公表します。もともとは会計や監査の言葉で、投資家の判断を変えるほど大事な情報かどうかという「重要性」を指しています。今でも文脈によってどちらの意味かが変わるので注意が必要です。
マテリアリティの具体例と注意点は?
例えば食品会社なら原材料の安定調達、IT企業なら情報の安全や人材の確保などが挙げられます。読むときに確かめたいのは、選んだ理由、目標の数字、担当の責任者、毎年の進み具合です。どの業種にも当てはまる言葉だけが並び、数字の目標がない場合は、形だけの開示である可能性があります。同業他社と比べると、その会社が何を本気で重視しているかが見えてきます。逆に同業が挙げている課題が抜けていれば、理由を確かめるのも良い読み方です。
会計の「重要性」との違い
会計や監査では、利用者の判断を変えるほどの大きさかどうかを問題にします。例えば売上に比べて非常に小さな誤りなら、重要でないと判断されることがあります。一方で統合報告書のマテリアリティは、会社が優先して取り組む課題を指します。同じ言葉でも、数字の大きさの話か、経営の優先順位の話かで意味が違います。
読むときのポイント
有価証券報告書では、2023年3月期からサステナビリティに関する考え方と取組の記載欄が設けられました。ここと統合報告書の内容がそろっているかを見ると、会社の本気度が分かります。課題の数が多すぎる場合も、絞り込めていない可能性があります。例えば20以上の課題を並べる会社と、5つに絞って目標を示す会社では、優先順位の明確さがずいぶん違います。
よくある誤解
「マテリアリティは環境の話」というのは誤解です。人材の確保や情報の安全、品質、取引先との関係など、幅広い課題が対象になります。業種によって中身は大きく変わります。
関連用語
金額で表せない会社の判断材料で、経営方針・事業リスク・人材・環境・ガバナンスなどを含む。日本では2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の記載欄が新設された。
財務情報と、戦略や人材、環境、ガバナンスなどの非財務情報をまとめて、長期の価値創造を説明する任意の報告書。実績の数字と照らし合わせて読むのが基本
社会の変化が会社のお金に与える影響と、会社が社会に与える影響の両面で重要性を考える見方。EUの制度が採用し、ISSB基準は投資家向けに焦点を当てる。
環境・社会・企業統治への取り組みと結果をまとめた任意の報告書。排出量や人権、多様性などのデータは集計範囲と基準年を確かめて読む。
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