「サステナビリティ報告書」とは
サステナビリティ報告書とは、会社が環境・社会・企業統治への取り組みと、その結果を数字や文章でまとめた報告書です。日本では会社が任意で発行するもので、以前は環境報告書やCSR報告書と呼ばれていたものの多くがこの名前に変わっています。
📌 投資判断のポイント
環境・社会・企業統治への取り組みと結果をまとめた任意の報告書。排出量や人権、多様性などのデータは集計範囲と基準年を確かめて読む。
サステナビリティ報告書はどういう仕組み?
温室効果ガスの排出量、水やエネルギーの使用量、従業員の安全や多様性、取引先での人権への配慮、取締役会の構成といった、決算書には載らない情報が中心です。書き方の枠組みとしては、国際的なGRIスタンダードなどが広く使われています。投資家だけでなく、取引先・従業員・地域の住民など幅広い読み手を想定しているのが特徴です。
サステナビリティ報告書の具体例と注意点は?
例えば「3年前と比べて排出量を20%減らした」と書かれていても、どの範囲(自社の工場だけか、取引先まで含むか)を数えているかで意味は大きく変わります。数字の集計範囲と基準年、第三者による保証の有無を確かめてから読むことが大切です。良い取り組みだけを目立たせる書き方になっていないかにも目を向けると、実態とのずれに気づきやすくなります。
有価証券報告書の記載との違い
2023年3月期から、日本の有価証券報告書には「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄が設けられ、上場会社などは法定書類の中でもサステナビリティ情報を書くようになりました。法定の欄は要点を簡潔に、任意のサステナビリティ報告書は詳しいデータを網羅的に、という役割分担になっていることが多いです。
統合報告書との違い
統合報告書は、財務の情報と非財務の情報を結びつけ、会社がどう価値を生み出すかを一つの物語として説明する報告書です。サステナビリティ報告書は非財務のデータを詳しく並べることに重きがあります。両方を出す会社では、統合報告書で全体像を、サステナビリティ報告書で細かい数字を確認する読み方が向いています。
よくある誤解
「報告書が厚い会社ほど取り組みが進んでいる」とは限りません。ページ数が多くても、目標の達成状況や悪化した数字を書いていなければ判断の材料にはなりません。目標・実績・未達の理由が3点そろって書かれているかを見ると、報告書の質を見分けやすくなります。
関連用語
財務情報と、戦略や人材、環境、ガバナンスなどの非財務情報をまとめて、長期の価値創造を説明する任意の報告書。実績の数字と照らし合わせて読むのが基本
金額で表せない会社の判断材料で、経営方針・事業リスク・人材・環境・ガバナンスなどを含む。日本では2023年3月期の有価証券報告書からサステナビリティ情報の記載欄が新設された。
財務情報に加え、環境・社会・企業統治への取り組みを考えて投資先を選ぶ方法。除外、評価の組み込み、株主としての対話など手法はさまざまで、中身の確認が欠かせない
温室効果ガス排出量のうち、調達や輸送、販売した製品の使用など自社の外で起きる分を指す区分。15のカテゴリに整理され、多くの企業では排出の大半を占めるが、算定範囲や手法が企業ごとに違う
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