「CoCo債」とは
CoCo債とは、発行した銀行の自己資本比率が一定の水準を下回るなどの条件に当たると、株式に転換されたり元本が削られたりする社債である。偶発転換社債とも呼ばれる。
📌 投資判断のポイント
銀行の自己資本比率が一定水準を下回るなどの条件で、株式への転換や元本の削減が起きる社債。利回りは高めだが、損失を投資家が負う仕組み
CoCo債はどういう仕組み?
CoCo債は、主に銀行が自己資本規制で資本として数えられるように発行する債券である。普段は利息を払う債券として扱われるが、経営が悪化して自己資本比率があらかじめ決めた水準を下回ったときや、当局が存続できないと判断したときには、強制的に株式へ転換されるか、元本の全部または一部が削られる。こうして損失を投資家に負担させ、税金による救済を減らすのがねらいである。弁済の順位が低く、利払いが止まることもあるため、利回りは同じ銀行の普通の社債より高めに設定される。
CoCo債の具体例と注意点は?
2023年3月、スイスの大手銀行クレディ・スイスが同業に救済合併された際には、約160億スイスフランの劣後債が当局の判断で全額無価値となり、株主には一定の対価が支払われたことから、弁済の順位をめぐって世界の投資家に大きな衝撃を与えた。利回りの高さだけで判断せず、どんな条件で損失を負うのか、期限前に償還される条件は何かを目論見書で確かめる必要がある。個人が投資信託を通じて間接的に持っている場合もある。
転換社債との違い
転換社債は、株価が上がったときに投資家が自分の判断で株式に換えられる権利が付いた社債である。CoCo債は逆に、銀行の経営が悪化したときに、投資家の意思と関係なく株式への転換や元本の削減が強制される。投資家にとっての選択肢か、不利な場面で発動する仕組みかという点で、性格はほぼ反対になる。
投資家が気をつけたいこと
CoCo債の多くは期限がなく、発行体が償還するかどうかを選べる。利払いも銀行の判断で止められることがあり、止まった利息は後から払われないのが一般的である。普通の社債より高い利回りは、損失を負う可能性への見返りである。銀行の自己資本比率が転換の基準からどれだけ離れているかを確かめておきたい。日本の大手銀行も、経営が立ち行かなくなったときに元本を削る条項の付いた劣後債を、資本を厚くする目的で発行している。購入を検討するときは、販売資料にある損失を負う条件の説明を、利回りの説明と同じくらい丁寧に読みたい。
関連用語
劣後債は高い利回りと引き換えに、破綻時の弁済順位が低いというリスクを負う。表面利回りの高さだけで選ぶのは危険で、発行体の信用力や格付け、利払い繰り延べ・早期償還の条件まで読み込む必要がある。安全な債券とは性格が異なる点に注意したい。
企業が発行する債券で、政府債券より高い利回りが期待できるが、その分信用リスクも高い。リスクとリターンの関係を理解することが重要。
発行体の返済能力を評価した指標で、債券のリスク判断の基準となる。格付けが低いほど利回りは高くなる傾向がある。
永久債は満期がなく利息を払い続ける建て付けだが、多くはコール条項で実質的に償還される。コールが見送られると資金が長期間拘束され、利払い停止や金利上昇による価格下落のリスクもある。通常の債券とは値動きの性質が違う点を押さえたい。
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