事業再生ADR

リスク管理
よみ:じぎょうさいせいえーでぃーあーる
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 投資戦略・リスクを管理する ★★ 標準

「事業再生ADR」とは

事業再生ADRは、経営が苦しくなった会社が、裁判所を使わずに、国が認めた専門の機関の仲立ちで、金融機関と借金の返済条件の見直しや一部免除を話し合う手続きです。ADRは裁判外紛争解決手続きの略です。取引先への支払いは通常どおり続けながら、金融機関の債権だけを調整できるのが特徴です。

📌 投資判断のポイント

経営難の会社が、裁判所を使わず国の認定を受けた機関の仲立ちで、金融機関と借金の返済条件の見直しを話し合う私的整理の手続き。取引先への支払いを続けやすい一方、原則として対象金融機関全員の同意が必要。

事業再生ADRはどういう仕組み?

事業再生ADRは、産業競争力強化法にもとづく私的整理の手続きで、法務大臣の認証と経済産業大臣の認定を受けた事業者が、中立の立場で手続きを進めます。会社は弁護士や会計士とともに事業の立て直しの計画を作り、手続きを担う専門家がその内容を確認したうえで、対象となる金融機関と話し合います。計画が成立するには、原則として対象の金融機関全員の同意が必要です。民事再生や会社更生といった裁判所を使う法的整理と違って、手続きが公になりにくく、仕入れ先や顧客との取引を続けやすいため、事業の価値を損ないにくいとされています。

事業再生ADRの具体例と注意点は?

上場企業が事業再生ADRを申請すると、取引所への適時開示が必要になり、株価が大きく下がることがよくあります。成立すれば上場を維持したまま立て直しを進めることもありますが、金融機関が借金の一部を免除する場合などには、既存の株主の持分が薄まるような資本の手当てが計画に含まれることも少なくありません。また、金融機関の一社でも反対すれば成立しないため、話し合いがまとまらず法的整理に移ることもあります。投資家は、申請はゴールではなく話し合いの始まりにすぎないと理解しておく必要があります。

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