料金回収率

企業分析
よみ:りょうきんかいしゅうりつ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「料金回収率」とは

料金回収率とは、水道事業が水をつくって届けるのにかかった費用を、どれだけ料金収入で賄えているかを示す経営指標です。「供給単価 ÷ 給水原価 × 100」で計算し、100%を下回ると、料金だけでは費用を回収できていないことを意味します。

📌 投資判断のポイント

水道事業の費用を料金収入でどれだけ賄えているかの指標。供給単価を給水原価で割って求め、100%未満なら料金だけでは費用を回収できていない。

料金回収率はどういう仕組み?

供給単価は、料金として受け取った収入を、料金の対象になった水量(有収水量)1立方メートルあたりに直したものです。給水原価は、同じ1立方メートルあたりにかかった費用です。両者を比べることで、売値が原価を上回っているかどうかがわかります。総務省は水道事業の経営比較分析表でこの指標を公表しており、自治体どうしの比較に使われています。

料金回収率の具体例と注意点は?

供給単価が170円、給水原価が185円の事業なら、料金回収率は約91.9%です。不足する約8%分は、一般会計からの繰入金や内部の資金でまかなっているか、将来の値上げで回収する必要があります。ただし回収率が100%を超えていても、老朽化した水道管の更新が遅れている場合は、費用が小さく見えているだけのこともあります。管路の更新状況とあわせて見ることが大切です。

経常収支比率との違い

経常収支比率は、事業全体の経常収益を経常費用で割った指標で、補助金や受取利息なども収益に含みます。料金回収率は料金収入だけに絞って原価と比べるため、料金水準そのものが適正かどうかをより直接に示します。経常収支比率が100%を超えていても、料金回収率が低ければ、料金以外の収入に頼った経営になっていることがわかります。

回収率が下がる理由

料金回収率は、料金を据え置いたまま費用が増えると下がります。費用が増える主な要因は、高度経済成長期に一斉に敷設した水道管の更新、浄水場の耐震化、電気代や薬品代の上昇です。一方、人口減少や節水型の機器の普及で、料金の対象になる水量は減っています。水量が1割減っても管路の維持費はほとんど減らないため、1立方メートルあたりの給水原価が上がり、回収率が下がります。たとえば回収率90%の事業が100%に戻すには、費用を変えない場合、料金を約11%引き上げる必要があります。回収率は料金改定の議論で最もよく使われる数字の1つです。自分の住む自治体の数値は、総務省が公表する水道事業の経営比較分析表や、水道事業者の決算資料で確かめられます。

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