「独立採算制」とは
独立採算制とは、ある事業の費用をその事業自身の収入で賄うことを原則とする経営の考え方です。地方自治体が運営する水道、下水道、病院、交通などの公営企業では、法律でこの原則が定められています。
📌 投資判断のポイント
事業の費用をその事業の収入で賄う原則。地方公営企業法第17条の2が、水道などの経費は原則として料金などの収入で充てると定めている。
独立採算制はどういう仕組み?
地方公営企業法第17条の2は、地方公営企業の経費は、一般会計などが負担すべきものを除き「当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない」と定めています。水道事業であれば、浄水場や水道管の建設・維持にかかる費用を、主に利用者が払う水道料金で回収する仕組みです。税金で穴埋めするのは、消火栓の維持のように性質上料金で賄うのが適当でない費用や、山間部など地理的条件で採算がとれない費用に限られます。
独立採算制の具体例と注意点は?
独立採算制のもとでは、施設の更新費用が増えたり、人口減少で料金収入が減ったりすると、料金の引き上げで収支を合わせる必要が出てきます。近年、20%を超える料金改定を行う自治体が出ているのはこのためです。同じ水道でも自治体によって料金が大きく違うのは、水源の条件や人口密度による費用の差が、そのまま料金に反映されるからです。
税金で運営する事業との違い
道路や公園のように受益者を特定しにくい事業は、税金で費用を賄います。これに対し独立採算制の事業は、サービスを使った人が使った分だけ負担する受益者負担の考え方に立っています。利用者にとっては、料金の水準が事業の経営状態を映す鏡になる点が大きな違いです。
料金の決め方との関係
地方公営企業法第21条は、料金について「公正妥当なもの」であることと、能率的な経営のもとでの適正な原価を基礎にすることを求めています。つまり独立採算制は、赤字にならないよう料金を上げればよいという意味ではなく、効率よく運営したうえでの原価を利用者に負担してもらう考え方です。水道料金の改定では、自治体の審議会で今後30年や40年の施設更新計画と費用の見通しを示し、どの程度の値上げが必要かを議論するのが一般的です。利用者は、料金改定の案内とあわせて公表される経営戦略や収支見通しを読むことで、値上げの根拠を確かめられます。
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