給水原価

企業分析
よみ:きゅうすいげんか
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「給水原価」とは

給水原価とは、水道事業者が利用者に水を1立方メートル届けるのにかかった費用です。料金として回収すべき水準の目安になり、水道料金が適正かどうかを考える出発点になります。

📌 投資判断のポイント

水道で水を1立方メートル届けるのにかかった費用。経常費用から料金と関係のない費用を除き、料金の対象になった水量で割って求める。

給水原価はどういう仕組み?

給水原価は、年間の経常費用から受託工事費などの料金と関係のない費用を差し引き、料金の対象になった水量(有収水量)で割って求めます。費用には、浄水場の運転費や薬品費、人件費、水道管などの減価償却費、借入金である企業債の支払利息が含まれます。水道事業は設備が大きく、費用の多くが使用量に関係なく発生する固定費である点が特徴です。

給水原価の具体例と注意点は?

年間の費用が100億円、有収水量が5,000万立方メートルの事業なら、給水原価は1立方メートル200円です。水源が遠く導水に費用がかかる地域や、人口がまばらで管路が長い地域ほど給水原価は高くなります。人口が減ると有収水量が減る一方で、管路の維持費はほとんど減らないため、1立方メートルあたりの原価は上がります。料金の値上げが相次ぐ背景にはこの構造があります。

供給単価との違い

供給単価は、料金収入を有収水量で割った1立方メートルあたりの販売価格です。給水原価が原価、供給単価が売値にあたり、供給単価を給水原価で割ったものが料金回収率です。供給単価が給水原価を下回る状態が続くと、事業は料金以外の財源に頼るか、施設の更新を先送りすることになります。

給水原価が地域で違う理由

給水原価は、同じ日本の水道でも事業者によって数倍の差があります。大都市は利用者が密集しており、1本の水道管で多くの家庭に水を届けられるため、1立方メートルあたりの費用を抑えやすくなります。山間部や離島では、人口が少ないのに長い管路や小さな浄水場をいくつも維持する必要があり、原価が高くなります。水源の水質が良ければ浄水の費用は小さく、河川の下流から取水する場合は高度な処理が必要になります。このため国は、近隣の事業者が施設を共同で使う広域化を進めており、浄水場を1つにまとめるなどの統合で原価を下げる取り組みが各地で行われています。給水原価と供給単価は、総務省が公表する経営比較分析表で、事業者ごとに経年の推移を確認できます。料金改定の案内を受け取ったときは、自分の事業者の給水原価が過去5年でどう動いたかを見ると、値上げの理由が具体的にわかります。

関連用語

企業分析 の他の用語

🏷 関連タグ

公営企業 水道料金 原価

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る