「リスク寄与度」とは
ポートフォリオ全体のリスクのうち、個々の資産が何割を担っているかを表す量。合計すると全体のリスクにちょうど一致するように定義される。
📌 投資判断のポイント
ポートフォリオ全体のリスクを資産ごとに分解した量で、合計すると全体のリスクに一致する。株式60%・債券40%でも株式の寄与度が9割前後になることがあり、金額の配分とリスクの配分は別物である。
リスク寄与度はどういう仕組み?
各資産の寄与度は、その資産の保有比率と、ポートフォリオ全体に対するその資産の限界的なリスク増分をかけ合わせて求める。限界的な増分には資産どうしの相関が入るため、単に組入比率が大きい資産の寄与度が大きくなるとは限らない。全体と逆に動く資産は寄与度が小さくなり、場合によってはマイナスになる。すべての資産の寄与度を足すとポートフォリオ全体のリスクに一致する性質があり、これによってどの資産がリスクを持ち込んでいるかを金額や割合で分解できる。
リスク寄与度の具体例と注意点は?
株式60%・債券40%の配分でも、株式の変動の大きさが債券の3倍程度あると、リスク寄与度では株式が9割前後を占めることが珍しくない。資産配分の比率とリスクの負担割合はまったく別物である、というのがこの指標の要点である。注意点は、寄与度の計算が分散共分散行列に依存するため、推定に使った期間の相関が崩れると結果も変わることである。危機時には相関が1に近づき、分散されていたはずのリスクが同時に現れる。
組入比率との違い
組入比率は金額の配分であり、リスク寄与度はリスクの配分である。両者が一致するのは、すべての資産のリスクが等しく相関がない場合だけで、現実にはまず一致しない。各資産のリスク寄与度を等しくそろえる考え方をリスクパリティと呼び、この指標が設計の出発点になる。
資産配分の見直しに使う
資産配分を見直すときは、まず現在の配分でリスク寄与度を計算し、想定と大きく食い違っていないかを確かめる。株式の比率を下げずにリスクだけを下げたい場合は、株式と相関の低い資産を足すか、株式の中で変動の小さい部分へ入れ替える。逆に、債券の比率を上げてもリスク寄与度がほとんど変わらないなら、その債券は株式と同じ方向に動いている可能性がある。比率をいじる前に寄与度を見ておくと、効かない調整に時間を使わずに済む。年に1回の見直しであれば、直近3年程度の変動と相関で計算しておけば十分な目安になる。
関連用語
リスクパリティは伝統的な配分より真の分散を実現するが、株・債券が同時下落するインフレ局面では脆弱性がある。コモディティ・インフレ連動債の追加でこの弱点を補えるか、レバレッジコストと合わせて評価することが投資判断の要点だ。
各資産の値動きの大きさと資産どうしの連動をまとめた表で、分散投資の効果を計算する土台です。危機のときは連動が強まって推計が外れやすいという限界があります。
2資産の値動きの連動度を−1〜+1で表す指標。分散投資は相関の低い資産の組み合わせで初めて効く。同方向に動く資産を並べてもリスクは下がらない。ただし危機時は普段低い相関が一斉に上昇し分散が効きにくくなるため、過去の相関を過信しない。
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