「分散共分散行列」とは
複数の資産について、それぞれの値動きの大きさと、資産どうしが一緒に動く度合いをまとめて並べた表のことです。
📌 投資判断のポイント
各資産の値動きの大きさと資産どうしの連動をまとめた表で、分散投資の効果を計算する土台です。危機のときは連動が強まって推計が外れやすいという限界があります。
詳しい仕組み・意味
対角線上には各資産の分散、つまり値動きの大きさが並び、それ以外の位置には二つの資産の共分散、つまり連動の度合いが入ります。ポートフォリオ全体のリスクは、個々の資産のリスクを足し合わせたものではなく、この行列を使って計算します。値動きが逆向きの資産を組み合わせると全体のリスクが個々の合計より小さくなるのは、共分散がマイナスに働くためです。効率的フロンティアや最小分散ポートフォリオの計算も、この行列を入力として行われます。分散投資の効果を数式で扱えるようにした中心的な道具です。
具体例・注意点
実務での最大の弱点は、過去のデータから推計した値がそのまま将来に当てはまるとは限らないことです。とくに市場が急落する局面では、平時は連動していなかった資産どうしが同時に下がり、共分散が大きく変わります。危機のときほど分散が効かなくなるのはこのためです。推計に使う期間を長くとる、資産の数を絞る、といった工夫はありますが、限界は残ります。個人が手計算する必要はありませんが、最適化された配分が「過去のデータに基づく推計」であることは知っておいてください。個人が実務で使うのは、この行列から導かれた結果、つまり推奨される資産配分のほうです。前提が変われば答えも変わることを踏まえ、提示された配分を鵜呑みにせず、自分が耐えられる下落幅から逆算して調整してください。
関連用語
2資産の値動きの連動度を−1〜+1で表す指標。分散投資は相関の低い資産の組み合わせで初めて効く。同方向に動く資産を並べてもリスクは下がらない。ただし危機時は普段低い相関が一斉に上昇し分散が効きにくくなるため、過去の相関を過信しない。
同じリスクで最大のリターンが期待できる組み合わせを結んだ曲線。線より下は非効率で改善余地がある。日本株のみのポートフォリオは多くの場合この線より下にくる。過去の推定値で描くため将来の保証ではなく、分散の点検道具として使うのが現実的。
全体の値動きの振れ幅が最も小さくなる資産配分で、効率的フロンティアの左端に位置します。リターンの予測が要らない反面、推計した相関が崩れると想定どおりに働きません。
異なる資産に分散することでリスクを抑える手法。重要なのは数ではなく、相関の低さによるバランスである。
標準偏差はリターンのばらつき。投資リスクを数値化する基本指標。
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