「減収増益」とは
売上高は前の期より減ったのに、利益は増えた決算のこと。費用の削減や、利益率の高い事業への絞り込みで起きることが多い。
📌 投資判断のポイント
売上は減ったのに利益が増えた決算。不採算事業からの撤退や値上げなら体質の改善といえるが、必要な投資を削っただけなら長くは続かない。中身を分けて読むことが大切。
減収増益はどういう仕組み?
売上と利益の増減を組み合わせた決算の表し方の一つ。売上が減っても利益が増える主な理由には、不採算の店舗や事業から撤退した、値上げで販売数量は減ったが1個あたりのもうけが増えた、人件費や広告費などの経費を減らした、原材料や燃料の価格が下がった、といったものがある。利益率の低い事業を手放して高い事業に集中した結果なら、会社の体質が良くなったと評価されることもある。一方で、必要な投資や人材への支出を削って利益を出している場合は、将来の売上を細らせるおそれがある。どの利益で増益なのかも確かめたい。
減収増益の具体例と注意点は?
売上高が100億円から95億円に減り、営業利益が5億円から7億円に増えれば減収増益で、営業利益率は5%から約7.4%に上がる。ただ、費用の削減には限りがあるため、減収増益が何期も続く会社は、どこかで売上を伸ばす手立てが必要になる。特別利益による最終利益の増加を減収増益と呼んでいることもあるので、営業利益の段階で確かめたい。
決算書で確かめたいところ
売上総利益率が上がっているなら値上げや商品構成の見直しが効いており、販売費及び一般管理費が大きく減っているなら経費の削減が主な理由と考えられる。どちらによる増益かで、翌期以降も続くかどうかの見通しが変わるため、損益計算書の段階ごとに前期と比べてみたい。
株価の受け止め方
減収増益の決算は、市場では評価が分かれやすい。利益が増えたことを好感する見方がある一方で、売上が減っていることを成長の鈍化と受け止める投資家もいる。特に成長企業では売上の伸びが重視されるため、減収増益でも株価が下がることがある。会社が今後の売上をどう伸ばすつもりかを、決算説明資料で確かめたい。
例えば不採算の10店舗を閉めた会社なら、閉めた店の売上がなくなるぶん減収になるが、赤字だった店の損失もなくなるので営業利益は増えやすい。閉店にかかった費用は特別損失に出ることが多いので、営業利益と最終利益を分けて見たい。円高や円安など為替の動きで、売上と費用の両方が見かけ上動くこともあるため、会社が示す為替の影響の説明もあわせて読みたい。
関連用語
売上も利益もそろって増えた好決算の代表サイン。ただし増収減益(先行投資)や減収増益(経費削減)もあり、中身次第。資産売却益による見せかけの増益にも注意し、どの利益段階がなぜ増えたか確認する。
売上に対する営業利益の割合で、企業の収益効率を示す指標。利益額ではなく比率で見ることで、企業の競争力が見えてくる。
商品やサービスを売るための費用と、会社全体を運営するための費用をまとめた損益計算書の区分です。売上総利益から差し引くと営業利益になり、略して販管費と呼ばれます。
最終利益が沈んだ決算の理由はこの欄に集まる。読むうえで大事なのは、毎期のように計上している企業がないかを数期分で確かめること。常態化していれば、それはもう臨時ではなく実力の一部として見るべきものになる。
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