「繰越利益剰余金」とは
繰越利益剰余金とは、会社がこれまでに稼いだ利益のうち、配当や積立に回さず、使い道を決めないまま残っている分のことです。貸借対照表の純資産の中に載ります。
📌 投資判断のポイント
稼いだ利益のうち、配当や積立に回さず使い道を決めていない分。純資産に載るが、その額の現金が手元にあるという意味ではない。
繰越利益剰余金はどういう仕組み?
毎期の当期純利益はここに加わり、配当を払うと減ります。利益剰余金は、法律で積み立てる利益準備金、目的を決めて積み立てる任意積立金、そしてこの繰越利益剰余金に分かれています。赤字が続くとマイナスになることもあり、この状態を一般に「累積損失がある」といいます。マイナスが大きいと、配当を出す余力がないと判断される材料になります。
繰越利益剰余金の具体例と注意点は?
例えば期首の残高が1億円、当期純利益が3,000万円、配当が1,000万円なら、期末の残高は1億2,000万円です。注意したいのは、この金額がそのまま現金として残っているわけではないことです。稼いだ利益は設備や在庫などに形を変えているのが普通なので、「内部留保がこれだけあるから現金も豊富」と考えるのは誤解です。手元の現金は資産の側で別に確かめ、株主資本等変動計算書を見れば、1年間の増減の理由も追うことができます。
利益剰余金との違い
利益剰余金は、利益を元にした純資産の全体を指す大きな区分です。繰越利益剰余金はその内訳の一つで、使い道を特に決めていない部分にあたります。ニュースで「利益剰余金」と「繰越利益剰余金」が同じように語られることがありますが、範囲が違うので、決算書の表記を確かめましょう。
読むときのポイント
配当を続ける力を見るときの材料になります。例えば残高が1億円で毎年の配当が1,000万円なら、利益がない年が続いても計算の上では配当の余地があります。ただし実際に配当するには現金も必要で、法律で定められた分配可能額の上限もあります。残高の大きさだけで安心しないことが大切です。
よくある誤解
「残高が多い会社はお金持ち」というのは誤解です。長く利益を積み上げてきた会社でも、現金は工場や在庫に形を変えていて、手元にあまり残っていないことがあります。残高がマイナスでも、新しい事業に投資している途中の会社で、将来の収益が期待される場合もあります。どちらも数字の背景まで確かめます。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。