「残存価額」とは
残存価額とは、機械や車などの固定資産を使い終えたときに残ると見込む価値のことである。減価償却で費用にする総額は、取得価額から残存価額を引いた額になる。
📌 投資判断のポイント
固定資産を使い終えたときに残ると見込む価値。減価償却する総額は取得価額から残存価額を引いた額で、税法では2007年4月以後の取得分から実質ゼロになった
残存価額はどういう仕組み?
減価償却は、長く使う資産の購入代金を、使う期間にわたって少しずつ費用に配分する手続きである。このとき、使い終えた後に売却などで回収できそうな金額をあらかじめ見積もり、それを差し引いた額だけを償却するのが本来の考え方で、この見積額を残存価額という。日本の税法では、かつて有形の減価償却資産の残存価額を取得価額の10%としていたが、2007年4月1日以後に取得した資産では残存価額がなくなり、帳簿に1円を残すところまで償却できるようになった。会計上は、資産の実態に合わせて残存価額を見積もることもできる。
残存価額の具体例と注意点は?
例えば300万円の営業車を5年使い、最後に60万円で売れると見込む場合、定額法なら(300万円−60万円)÷5年で毎年48万円を償却する。残存価額をゼロとすれば毎年60万円になり、各年の利益は12万円ずつ小さくなる。どちらが正しいかではなく、見積もりの置き方で利益が変わる点が大切である。税務上の計算と会計上の計算が違う場合は、その差が税金の計算で調整される。中古で売りやすい資産ほど、見積もりの影響が大きくなる。
耐用年数との違い
耐用年数は資産を何年使うかの見積もりで、残存価額は使い終えたときに何円残るかの見積もりである。2つを組み合わせて毎年の減価償却費が決まる。税務では資産の種類ごとに耐用年数が決められており、例えば普通自動車は6年とされている。会計では実際の使い方に合わせて見積もることもでき、税務と差が出ることがある。
関連して知っておきたいこと
2007年3月31日以前に取得した資産は、取得価額の95%まで償却した後、翌年度から5年かけて1円まで償却できるようになった。古い設備を持つ会社では、この仕組みで償却費が少しずつ計上されていることがある。帳簿に1円だけ残る資産は、まだ使っている資産の記録として残しておく意味がある。会計上の見積もりを変えた場合は、その影響を変更した期以降の償却費に反映させ、過去の決算書はさかのぼって直さないのが原則である。機械を売ったとき、帳簿の金額より高く売れれば売却益、低ければ売却損が出るため、残存価額の見積もりは売る年の利益にも響く。
関連用語
減価償却費は設備投資を期間配分する費用。利益とキャッシュフローの差を理解する鍵になる。
取得してから今までに計上した減価償却費の合計額です。取得原価に対する比率が高いと、設備が古く更新投資が近い可能性を示します。
経費の総額が増えるのではなく、計上する時期が前倒しになるだけの制度。利益が大きい年に使えば所得の平準化に効くが、赤字の年に使っても翌年以降の経費を先食いするだけで効果は乏しい。
取得価額10万円以上20万円未満の資産を、耐用年数に関係なく3年間で3分の1ずつ経費にする方法。償却資産の固定資産税がかからない一方、少額特例との選択になる。
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