「レピュテーションリスク」とは
企業や金融機関に対する評判が損なわれることで、顧客離れや取引条件の悪化などの損失につながるリスク。
📌 投資判断のポイント
評判が損なわれることで顧客離れや取引条件の悪化などの損失につながるリスク。システム障害や不祥事など他のリスクの結果として生じる二次的なリスクで、定量化が難しい。損失の大きさは事象そのものより、公表の速さと説明の内容に左右される。
レピュテーションリスクはどういう仕組み?
損失の経路は複数ある。顧客が離れて売上が減る、取引先が契約を見直す、採用が難しくなる、資金調達の条件が厳しくなる、といった形である。金融機関では特に影響が大きく、預金の流出や資金調達コストの上昇に直結しうる。特徴は、他のリスクの結果として発生する二次的なリスクである点にある。システム障害(オペレーショナルリスク)、不適切な販売、情報漏えい、役員の不祥事などが引き金になり、その対応のしかたによって評判への影響が拡大も縮小もする。定量化が難しく、信用リスクや市場リスクのように統計的な指標で管理しにくいため、発生を防ぐ体制と発生後の対応手順を用意する形で管理されるのが通例である。開示の面では、金融庁が2019年3月19日に公表した「記述情報の開示に関する原則」が、事業等のリスクについて投資家の判断に重要な影響を及ぼす事項を具体的に説明することを求めている。
レピュテーションリスクの具体例と注意点は?
注意点は、損失の大きさが事象そのものよりも対応の速さと内容に左右されることである。同じ規模の障害でも、事実の公表が遅れたり説明が事実と異なったりすると、影響は当初の事象を大きく超える。もう一つの注意点は、情報の伝播が速くなっていることである。SNSでの拡散は数時間単位で広がり、発生から公表までの時間が評判に直接影響する。投資家の側から見ると、有価証券報告書のリスク情報や、コーポレートガバナンス報告書に書かれた内部管理体制の記述が、この種のリスクへの備えを読む手がかりになる。
オペレーショナルリスクとの違い
オペレーショナルリスクは、業務プロセス、人、システムの不備や外生的事象から生じる損失のリスクで、事象そのものを対象にしている。レピュテーションリスクは、その事象が評判を通じて間接的に損失をもたらす部分を対象にしている。したがって同じシステム障害が、直接の復旧費用としてはオペレーショナルリスク、顧客離れとしてはレピュテーションリスクに数えられる。信用リスクとの違いも同様で、信用リスクは取引相手の債務不履行という具体的な事象を指し、評判の悪化はその手前で資金調達や取引条件に影響する段階にある。
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