「既払金返還」とは
個別クレジットで結んだ契約をクーリング・オフや取消しなどで解消したとき、それまでにクレジット会社へ払ったお金を消費者が返してもらえること。2008年の割賦販売法改正で明文化された。
📌 投資判断のポイント
個別クレジットの契約をクーリング・オフや過量販売解除などで解消したとき、払い済みの分割金まで取り戻せる仕組み。今後の支払いを止めるだけの支払停止の抗弁より救済の範囲が広い。
既払金返還はどういう仕組み?
個別クレジットでは、消費者は販売店と売買契約を、クレジット会社と立替払いの契約をそれぞれ結ぶ。以前は販売契約を解消しても、クレジット会社にすでに払った分を取り戻すのが難しかった。改正法は、訪問販売や電話勧誘販売などでクレジット契約をクーリング・オフすると販売契約も一緒に解消されたものとみなし、クレジット会社は消費者から受け取っていた金銭を速やかに返還しなければならないと定めた(第35条の3の10)。クレジット会社は販売店にすでに渡した代金を消費者に請求できず、販売店との間で清算する。
同じ仕組みは、通常必要な分量を著しく超える販売(過量販売)を理由とする解除(契約から1年以内)と、訪問販売などで支払総額や商品の品質について事実と違うことを告げられた場合の取消しにも用意されている。
既払金返還の具体例と注意点は?
訪問販売で布団を個別クレジットで買い、3回分を払った後にクーリング・オフの期間内に書面で撤回した場合、払った3回分は戻り、残りの支払いもなくなる。クーリング・オフの期間は、訪問販売などでは書面を受け取った日から8日、連鎖販売や業務提供誘引販売などでは20日である。
対象は個別クレジットで、しかも訪問販売などの特定の取引類型に限られる。店頭でクレジットカードを使った買い物は原則として対象外で、その場合は支払停止の抗弁で今後の支払いを止めることが中心になる。契約書面や販売員とのやり取りの記録を残しておくと、どの手段が使えるかを判断しやすい。
支払停止の抗弁との違い
支払停止の抗弁は、これからの支払いを止める権利にとどまり、払い済みのお金は戻らない。既払金返還は、契約の解消を前提に、払い済みの分まで取り戻せる点が大きく違う。どちらを使えるかは、取引の類型と契約を解消する理由で決まる。
また、既払金返還はクレジット会社が消費者に返す仕組みなので、販売店が倒産して連絡がつかない場合でも、クレジット会社に対して手続きを進められる点に意味がある。
出典: e-Gov法令検索「割賦販売法」
関連用語
商品ごとに審査して代金を立て替える割賦販売法上の類型で、包括型のカードとは別物である。訪問販売などでは信販会社にも解除を主張できる規定が用意されている。
一定期間内なら理由を問わず契約を解除できる制度で、起算日は法定書面を受け取った日です。相場の変動を伴う金融商品の売買は原則として対象になりません。
分割払いで買った商品に問題があるとき、販売店への言い分をそのままカード会社への支払い拒否に使える権利です。1回払いや少額の取引は対象外で、必ず書面などでカード会社へ申し出ます。
訪問販売や電話勧誘など7つの取引類型を対象に、書面交付や広告表示を義務づけ、一定期間内の解除を認めている。通信販売にはクーリングオフの制度がない点に注意する。
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