「パススルー債」とは
裏付けとなる貸出債権から入ってくる元金と利息を、手数料などを差し引いたうえで、そのまま投資家へ受け渡す形の証券です。
📌 投資判断のポイント
裏付け債権の元利金を手数料控除後にそのまま投資家へ渡す証券。元本も毎回少しずつ戻り、繰上返済で受け取り時期が変わるため、平均残存期間で比べる必要がある。
詳しい仕組み・意味
一般的な債券は、決まった日に決まった利息が支払われ、満期に元本が一括で返されます。パススルー債では、住宅ローンなどの借り手が毎月返す元利金が、発行体の手元を素通りするように投資家へ配分されます。そのため利息だけでなく元本も毎回少しずつ戻り、残高は時間とともに減っていきます。借り手が繰上返済をすれば、その分の元本も前倒しで投資家に届くため、受け取るお金の時期と金額は一定になりません。
具体例・注意点
代表例は住宅ローン担保証券で、住宅金融支援機構の機構MBSも毎月の元利金を投資家へ受け渡すパススルー型です。投資家は満期の年限だけでなく、元本がどの程度のペースで戻るかを前提にした平均残存期間で商品を比べる必要があります。金利が低下すると借り換えによる期限前償還が増え、戻ってきた資金をより低い利回りでしか運用できなくなる再投資リスクが生じます。受け取りを平準化したい場合は、返済の優先順位で分けたトランシェ型の証券が選ばれることもあります。反対に金利が上がる局面では繰上返済が減り、元本の戻りが遅れて想定より長く低い利回りに縛られる延長リスクもあります。どちらの局面でも投資家に不利に働きやすい点が、パススルー債の利回りが国債より高めに設定される理由の1つです。
関連用語
多数の住宅ローン債権を束ね、元利金の支払いを裏付けに発行する証券。国債より利回りが高めだが、借り換えなどで元本が早く戻る期限前償還リスクを負う。
発行体の都合で満期前に元本が返ってくる仕組みで、金利低下局面ほど起こりやすい。戻った資金を低い利回りで再投資せざるを得ない点が投資家の負担になる。
利回りは、投資額に対してどれくらい収益が得られるかを見る指標。便利な比較尺度だが、高利回りほど良いとは限らず、その背景まで確認することが大切。
企業が発行する債券で、政府債券より高い利回りが期待できるが、その分信用リスクも高い。リスクとリターンの関係を理解することが重要。
証券化で同じ資産から受け取り順位とリスクの異なる層に分けた各部分。損失は下位から吸収するが、前提を超える損失では上位の層にも及ぶことを金融危機が示した。
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