二以上事業所勤務届

制度・取引
よみ:にいじょうじぎょうしょきんむとどけ
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「二以上事業所勤務届」とは

同時に2か所以上の会社で社会保険の加入要件を満たしたときに、本人が提出する届出。どの年金事務所が保険料をまとめて管理するかを決めるために出す。

📌 投資判断のポイント

2か所以上の会社で社会保険の加入要件を満たしたときに、本人が10日以内に出す届出。各社の報酬月額を合算して標準報酬月額を1つ決め、保険料は報酬の割合で按分される。出さないと各社の計算が重複する。

二以上事業所勤務届はどういう仕組み?

厚生年金保険と健康保険の被保険者資格は会社ごとに生じるが、標準報酬月額は人ごとに1つしか決まらない。そのため2か所以上で加入要件を満たした場合は、本人がいずれか1つの事業所を「選択事業所」として選び、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を事実が発生した日から10日以内に提出する。届出を受けると、各事業所で受ける報酬月額を合算した額をもとに標準報酬月額が1つ決まり、保険料はそれぞれの事業所で受ける報酬月額の割合に応じて按分される。決定内容は、選択した事業所を管轄する事務センターから各事業所へ通知される。

二以上事業所勤務届の具体例と注意点は?

A社で月30万円、B社で月20万円の報酬を受ける人は、合算した50万円をもとに標準報酬月額が決まり、保険料は3対2の割合でA社とB社に割り振られる。注意点は、届出をしないと各社がそれぞれ独立に保険料を計算し、合計で払い過ぎや不足が生じることである。また、会社の役員を兼ねている場合や、自身で設立した法人から役員報酬を受ける場合も対象になる。健康保険組合と協会けんぽにまたがる場合は、選択した側の保険者が保険証を発行する。

定時決定(算定基礎届)との違い

定時決定は毎年7月に4月から6月の報酬で標準報酬月額を見直す定例の手続きで、届出は会社が出す。二以上事業所勤務届は、勤務先が増減したという事実が起きたときに本人が出す随時の届出である。二以上勤務となっている人の算定基礎届は、選択した事業所を管轄する事務センターからまとめて送られてくる。

よくある誤解

第一の誤解は、加入する保険を1か所に絞れるというものである。実際には資格は各事業所で発生したままで、届出は保険料をまとめて計算する窓口を決めるだけである。第二の誤解は、どちらか一方の給与からだけ保険料を引けばよいというものである。実際には各事業所が按分された保険料をそれぞれ天引きする。第三の誤解は、短時間勤務の副業先は関係ないというものである。加入要件を満たすかどうかは事業所ごとに判定するため、副業先で要件を満たせばそこでも被保険者になる。

出典: 日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

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