「LTV/CAC倍率」とは
LTV/CAC倍率は、顧客から得られる生涯価値が、顧客獲得コストの何倍あるかを示す指標。SaaSやサブスク企業のユニットエコノミクスを見る代表的な比率である。
📌 投資判断のポイント
LTV/CAC倍率は顧客価値と獲得コストのバランスを見る指標。粗利ベースLTVとCACの定義をそろえることが重要。
📐 計算式・数値の目安
LTV/CAC倍率 = LTV ÷ CAC
詳しい仕組み・意味
LTVは顧客が契約期間全体で生む価値、CACは1顧客を獲得するためにかかった営業・マーケティング費用を指す。LTV/CAC倍率が高いほど、獲得した顧客から回収できる価値が獲得費用を大きく上回ると考えられる。
実務では、LTVを売上ベースで見るのか、粗利益ベースで見るのかが重要である。SaaS企業の分析では、粗利率を反映したLTVを使う方が保守的で、実際の利益貢献に近い。CACも広告費だけでなく、営業人員、ツール、代理店手数料、オンボーディング費用を含めるかで数字が変わる。
具体例・注意点
LTVが60万円、CACが20万円ならLTV/CAC倍率は3倍である。一般的には3倍前後が健全性の目安として語られることが多いが、業界、成長段階、粗利率、回収期間によって解釈は変わる。
注意点は、高すぎる倍率も必ずしも良いとは限らないこと。5倍、6倍と高い場合、獲得投資を抑えすぎて成長機会を逃している可能性もある。
また、短期の解約率から機械的にLTVを伸ばすと過大評価になりやすい。成熟していない顧客コホートでは、実績値と推定値を分けて見ることが大切である。
投資判断での使い方
LTV/CAC倍率は、成長投資が長期的に回収できるかを見る土台になる。CAC回収期間、チャーンレート、GRR、NRRと一緒に見ると、顧客獲得・維持・拡張のどこに強みや弱みがあるかを判断しやすい。
関連用語
LTVは顧客が将来もたらす価値。CACとの比較で成長投資の採算を見る。
CACは顧客獲得にかかるコスト。LTVと比較して成長投資の効率を判断する。
CAC回収期間は顧客獲得投資を何ヶ月で回収できるかを見る指標。ARR成長が高くても、回収が遅ければ資金繰りと成長持続性に注意が必要。
チャーンレートは解約率。サブスク事業の継続性とLTVを大きく左右する。
GRRはアップセルを含めず、既存顧客売上がどれだけ残ったかを見る指標。NRRだけでは見えにくい解約や縮小の痛みを確認できる。
売上から原価を引いた最初の利益で、ビジネスの基本的な収益力を示す指標。ここから各種コストが引かれ、最終利益へとつながる。
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