「修正国際基準」とは
修正国際基準(JMIS)は、国際会計基準(IFRS)をもとに、日本の企業会計基準委員会(ASBJ)が一部を修正して定めた会計基準です。2015年6月に公表されました。
📌 投資判断のポイント
IFRSをもとに、のれんの償却などを日本の考え方に合わせて修正した会計基準。2015年にASBJが公表したが、採用する会社はほとんどない。
修正国際基準はどういう仕組み?
日本の上場企業が連結決算で使える会計基準には、日本基準、米国会計基準、IFRS、そして修正国際基準の4つがあります。修正国際基準は、IFRSを受け入れつつも、日本の考え方と大きく異なる点だけを修正した、いわば日本版のIFRSです。ASBJは、IFRSの基準を一つずつ確かめて受け入れるかどうかを判断する手続き(エンドースメント手続)を経て、この基準をまとめました。主な修正点は2つで、のれんを償却すること、その他の包括利益に計上した項目を最終的に純利益に振り替える(リサイクリングする)ことです。
修正国際基準の具体例と注意点は?
例えば買収で生じたのれんが100億円あり、10年で償却するなら、修正国際基準では毎年10億円を費用にします。IFRSではのれんを償却せず、価値が下がったときにだけ減損損失を計上するため、同じ買収でも毎年の利益の出方が変わります。制度としては2016年3月期から使えるようになりましたが、実際に修正国際基準を採用している会社はほとんどなく、IFRSへ移行する会社は修正のない本来のIFRSを選ぶのが一般的です。
修正国際基準とIFRSの違い
両者の違いは、ASBJが修正した点に絞られます。IFRSはのれんを償却せず、その他の包括利益の一部の項目は純利益に振り替えません。修正国際基準は、この2点を日本基準に近い考え方に直しています。それ以外の部分はIFRSとほぼ同じです。決算書を読むときは、その会社がどの会計基準を使っているかを最初に確かめることが大切です。基準によってのれんの扱いや利益の区分が変わるため、異なる基準の会社同士を単純に比べると誤解を生むことがあります。
決算書のどこを見るか
その会社がどの会計基準を使っているかは、有価証券報告書の経理の状況の冒頭や、決算短信の1ページ目に書かれています。日本基準以外の基準を使っている会社は、損益計算書の段の名前も異なり、経常利益の段がないことが多い点に注意が必要です。異なる基準の会社を比べるときは、のれんの償却額や減損損失の大きさなど、基準によって扱いが変わる項目をそろえてから比べると、実力の差を見誤りにくくなります。
関連用語
IASBが定める国際的な会計基準で、日本では2010年3月期から任意適用が可能。2022年8月末時点で267社が適用・適用予定で、のれんを償却しないなど日本基準と違う点がある。
日本の多くの上場企業が使う決算書のルール。経常利益の区分や、のれんを毎年償却する点がIFRSと違うため、基準の異なる会社を比べるときは利益の見え方の差に注意したい。
米国企業の決算書のルール。日本の経常利益にあたる区分がなく、のれんの扱いも違う。米国企業が強調する調整後の利益は、基準どおりの利益と並べて読みたい。
財務諸表の作り方を定めた共通ルール。日本の上場会社は日本基準・米国基準・IFRS・修正国際基準の4つから選べ、基準が違えばのれんの扱いなどで利益の額も変わる。
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