「日本基準」とは
日本の企業会計基準委員会(ASBJ)などが定めた、日本の会計基準の総称。日本の上場企業の多くが、この基準で決算書を作っている。
📌 投資判断のポイント
日本の多くの上場企業が使う決算書のルール。経常利益の区分や、のれんを毎年償却する点がIFRSと違うため、基準の異なる会社を比べるときは利益の見え方の差に注意したい。
日本基準はどういう仕組み?
会計基準は決算書の作り方のルールで、同じ取引でも基準が違えば利益の額が変わることがある。日本の上場企業が連結決算書を作るときには、日本基準のほか、国際財務報告基準(IFRS)、米国会計基準、修正国際基準の使用が認められている。日本基準の特徴として、損益計算書に経常利益の区分があること、のれんを20年以内の期間で毎期償却すること、などが挙げられる。IFRSではのれんは償却せず、価値が下がったときに減損する扱いのため、買収の多い会社では基準によって利益の見え方が大きく変わる。日本基準も、収益認識やリースの基準のようにIFRSに近づける改正が続いている。
日本基準の具体例と注意点は?
例えば同じ会社が大きな買収をした場合、日本基準ならのれんの償却費が毎年の営業利益を押し下げるが、IFRSならその費用は出ない。そのため、日本基準の会社とIFRSの会社の営業利益を並べて比べると、実力以上の差に見えることがある。比べるときは、決算短信の表紙や有価証券報告書の冒頭で、どの会計基準を使っているかをまず確かめたい。
どこで確かめるか
どの会計基準で作った決算書かは、決算短信の表題の中に「日本基準」「IFRS」などと書かれていることが多い。同じ会社でも、ある年から基準を変えることがあり、その前後では数字がそのまま比べられない。基準を変えた年の資料には、変更による影響の説明が載っている。
4つの基準が並ぶようになった経緯
金融庁の資料によると、日本では2010年3月31日以後に終わる連結会計年度からIFRSの任意適用が始まり、2013年には日本版のIFRSにあたる修正国際基準(JMIS)の導入が方針として示された。こうして日本基準・米国会計基準・IFRS・修正国際基準の4つが並ぶ状態になった。IFRSを任意で適用する企業は、2022年8月31日時点で267社とされている。
出典: 金融庁 企業会計審議会総会・第9回会計部会 事務局資料「会計基準を巡る変遷と最近の状況」(2022年9月29日)
関連用語
財務諸表の作り方を定めた共通ルール。日本の上場会社は日本基準・米国基準・IFRS・修正国際基準の4つから選べ、基準が違えばのれんの扱いなどで利益の額も変わる。
IASBが定める国際的な会計基準で、日本では2010年3月期から任意適用が可能。2022年8月末時点で267社が適用・適用予定で、のれんを償却しないなど日本基準と違う点がある。
米国企業の決算書のルール。日本の経常利益にあたる区分がなく、のれんの扱いも違う。米国企業が強調する調整後の利益は、基準どおりの利益と並べて読みたい。
本業のもうけ(営業利益)に利息・配当・為替差損益など本業以外を加えた、会社の実力ベースの利益。一時的な特別損益は含まず反復的な稼ぐ力を見るのに向く。米国会計には概念がなく海外比較は不可。
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