「米国会計基準」とは
米国の財務会計基準審議会(FASB)が定める会計基準。US GAAPとも呼ばれ、米国の上場企業の決算書はこの基準で作られる。
📌 投資判断のポイント
米国企業の決算書のルール。日本の経常利益にあたる区分がなく、のれんの扱いも違う。米国企業が強調する調整後の利益は、基準どおりの利益と並べて読みたい。
米国会計基準はどういう仕組み?
米国の証券取引委員会(SEC)に登録する米国企業は、米国会計基準で決算書を作る。基準は細かな規定や業種別の取り扱いが多く、条文ごとの具体的なルールに沿って処理する性格が強いとされる。日本の上場企業も連結決算書で米国会計基準を使うことが認められており、米国の市場に早くから上場してきた会社などが採用してきた。ただ、近年はIFRSへ切り替える日本企業もある。米国会計基準の損益計算書には日本の経常利益にあたる区分がなく、のれんは償却せずに減損の判定を行う点など、日本基準との違いがある。
米国会計基準の具体例と注意点は?
米国企業の決算を読むと、営業利益の下に支払利息や税金が並び、最後に純利益と1株当たり利益(EPS)が示される。日本の会社の経常利益と同じ数字を探しても見つからないのはこのためである。米国企業は調整後の利益(基準どおりの利益から一時的な費用などを除いた数字)を強調して発表することが多いが、基準どおりの数字と並べて、何を除いたのかを確かめたい。
IFRSとの関係
米国会計基準とIFRSは、かつて一本化を目指して共同で基準づくりを進めた時期があり、収益認識やリースなど内容が近い基準も多い。一方で、細かな規定の量や考え方には違いが残っている。米国企業と欧州や日本のIFRS採用企業を比べるときも、使っている基準をまず確かめたい。
日本での使用の経緯
金融庁の資料によると、日本では2009年に米国会計基準を使える期限が2016年3月末と定められたが、2011年の金融担当大臣談話でこの期限は撤廃された。そのため、米国会計基準で連結決算書を作る日本企業は現在も認められている。2013年には修正国際基準の導入も方針として示され、日本の上場企業が選べる会計基準は4つになった。
米国会計基準の決算書は英語で作られることが多く、損益計算書はIncome StatementやStatement of Operationsと呼ばれる。
出典: 金融庁 企業会計審議会総会・第9回会計部会 事務局資料「会計基準を巡る変遷と最近の状況」(2022年9月29日)
関連用語
財務諸表の作り方を定めた共通ルール。日本の上場会社は日本基準・米国基準・IFRS・修正国際基準の4つから選べ、基準が違えばのれんの扱いなどで利益の額も変わる。
IASBが定める国際的な会計基準で、日本では2010年3月期から任意適用が可能。2022年8月末時点で267社が適用・適用予定で、のれんを償却しないなど日本基準と違う点がある。
日本の多くの上場企業が使う決算書のルール。経常利益の区分や、のれんを毎年償却する点がIFRSと違うため、基準の異なる会社を比べるときは利益の見え方の差に注意したい。
減損損失は資産価値の切り下げ。過去投資の失敗や収益力低下を示すことがある。
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