「住宅資金特別条項」とは
個人再生の手続のなかで、住宅ローンだけは払い続けて自宅を手放さずに済むようにする特別な定め。一般に「住宅ローン特則」と呼ばれ、民事再生法第196条から第206条に規定がある。
📌 投資判断のポイント
個人再生で住宅ローンだけは全額払い続けることを条件に、自宅を競売から守る定め。返済期間は当初より10年以内・完済時70歳以下の範囲で延ばせる。
住宅資金特別条項はどういう仕組み?
個人再生では、カードローンなどの借金を大きく減らしたうえで原則3年で分割返済する。ただ、住宅ローンまで同じように減らすと、抵当権を持つ金融機関が自宅を競売にかけてしまう。そこで再生計画に住宅資金特別条項を定め、住宅ローンについては元本と利息を全額払うことを条件に、抵当権の実行を止める。
住宅ローンの返済条件そのものを変えることもできる。延滞分を数年かけて分割で戻す方法のほか、返済期間を延ばして毎月の負担を軽くする方法がある。延ばせる範囲は第199条が定めており、変更後の最終返済日は当初の最終返済日から10年を超えず、その時点の年齢が70歳を超えないことが要件になる。再生手続を申し立てた段階で、競売の中止命令を求めることもできる(第197条)。
住宅資金特別条項の具体例と注意点は?
対象は、自分が住む建物を建てる・買う・改良するための分割払いの借入で、その住宅に抵当権が付いているものに限られる。住宅に別の借金の担保(後順位の抵当権など)が付いていると使えない。事業用の店舗を兼ねる場合は、床面積の2分の1以上が自分の居住用であることが必要になる。
保証会社が代位弁済した後の期限
延滞が続き、保証会社が金融機関に残高を肩代わりして払った後でも、この条項は使える。ただし代位弁済の日から6か月を経過する日までに再生手続を申し立てる必要がある(第198条第2項)。この期限を過ぎると住宅を残す道が大きく狭まるため、延滞が始まった段階で弁護士や司法書士に相談したい。
この条項を使っても、住宅ローンの残高そのものは減らない。減るのはカードローンなど住宅ローン以外の借金で、その返済と住宅ローンの返済を同時に続けられる収入があることが前提になる。毎月の返済額の合計が手取り収入のどれくらいを占めるかを、申立て前に家計の収支表で確かめておきたい。手続には弁護士や司法書士への報酬に加え、裁判所に納める予納金などの実費もかかる。
出典: e-Gov法令検索「民事再生法」
関連用語
借金を法律で定めた下限まで減らし、原則3年で分割返済する裁判所の手続。住宅ローンを除く借金5,000万円以下が条件で、債権者の書面決議を経る。
保証会社が肩代わりしても債務は消えず、請求先が変わったうえに分割で返す権利まで失います。滞りそうな段階での相談が分かれ目になります。
保証料を払うのは借り手でも、守られているのは金融機関の側です。返済が滞っても債務は消えず、請求先が保証会社に移るだけだと理解しておく必要があります。
競売より高く売れやすく、引渡し時期も話し合えます。ただし残った債務は消えず、抵当権者全員の同意と時間の余裕が要ります。
任意整理・個人再生・自己破産の3つが柱です。信用情報に記録は残りますが、借入を重ねてからでは選べる手続きが減ります。
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