「財務レバレッジ」とは
総資産が自己資本の何倍あるかを示す指標のこと。借入をどれだけ使って資産を膨らませているかを表す。
📌 投資判断のポイント
総資産を自己資本で割った倍率で、自己資本比率の逆数にあたる。ROEを分解するとこの倍率が掛かるため、高いROEが実力なのか借入によるものかを見分ける手がかりになる。
財務レバレッジはどういう仕組み?
財務レバレッジは総資産を自己資本で割って求め、単位は倍になる。自己資本比率の逆数にあたり、自己資本比率が50%なら財務レバレッジは2.0倍、25%なら4.0倍である。この指標が重要になるのは、ROEを三つに分解するときである。ROEは売上高純利益率、総資産回転率、財務レバレッジの積で表せるため、同じROEでも、利益率が高くて達成している会社と、借入を厚くして達成している会社を区別できる。前者は本業の強さ、後者は資本構成の選択によるものであり、景気後退時の耐性がまったく異なる。
財務レバレッジの具体例と注意点は?
総資産1,000億円、自己資本250億円の会社の財務レバレッジは4.0倍になる。この会社で資産の価値が10%減れば、自己資本は40%減る計算になり、損失の影響が増幅される。逆に金利より高い利回りで資産を運用できている間は、自己資本に対する利益率が押し上げられる。銀行業のように業態としてレバレッジが高い業種もあるため、水準の善し悪しは同業他社と比べて判断する。
業種による差も大きい。製造業は設備投資を自己資本で支える傾向から倍率が低く、不動産業や金融業は資産の多くを負債で調達するため3倍を超え、銀行では10倍を上回ることも珍しくない。自己資本比率40%なら財務レバレッジは2.5倍という関係にある。
営業レバレッジとの違い
営業レバレッジは固定費の重さによって売上の変動が営業利益の変動へ増幅される度合いを指し、損益計算書の構造に関する話である。これに対し財務レバレッジは貸借対照表の構造に関する話で、資金の調達方法に由来する。両方が高い会社は、売上が少し減っただけで最終利益が大きく落ち込みやすい。ROEの高さを評価するときは、この二つのレバレッジをどれだけ使っているかを必ず確認したい。
実務では、財務レバレッジが上がっている局面で、それが成長投資のための借入なのか、赤字の穴埋めなのかを区別することが重要になる。総資産が増えながら倍率が上がっているなら前者、自己資本が減って倍率が上がっているなら後者である。自己資本の増減は株主資本等変動計算書で追える。なお、自社株買いも自己資本を減らして倍率を押し上げる。
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