「貸方」とは
複式簿記で帳簿の右側のこと。負債や純資産の増加、収益の発生、資産の減少、費用の取消しを記録する側である。
📌 投資判断のポイント
複式簿記で帳簿の右側を指す呼び名。負債・純資産の増加や収益の発生を記録する側で、お金を貸すこととは関係ない。英語ではクレジットと呼ぶ。
貸方はどういう仕組み?
「貸」という字が入っているが、お金を貸すこととは関係がなく、右側を指す呼び名として使われている。英語ではクレジットと呼ぶ。ひとつの取引を左右に同じ金額で記録する複式簿記では、負債(借入金、買掛金など)、純資産(資本金など)、収益(売上など)が増えたときに貸方へ書く。逆に、資産が減ったときや費用を取り消すときも貸方に記録する。米国ユタ州の高校の会計科目の基準では、クレジットを「T勘定の右側に記録する金額」と定義している。
貸方の具体例と注意点は?
商品を3万円で売り、代金を現金で受け取った場合、借方に「現金3万円」、貸方に「売上3万円」と書く。代金を翌月に受け取る約束なら、借方は「売掛金3万円」に変わるが、貸方の「売上3万円」は同じである。売上は代金を受け取った時ではなく、商品を渡した時に記録するのが原則(発生主義)なので、売上の記録と現金の動きはずれることがある。
借方との違い
借方が左、貸方が右という位置の違いで、言葉の意味に引きずられないことが大切である。貸借対照表では貸方に負債と純資産が並び、「会社のお金をどこから集めたか」を表す。借方の資産は「集めたお金を何に使っているか」を表すので、両側の合計は必ず一致する。たとえば資産が1,000万円で負債が600万円なら、純資産は400万円になる。
覚え方のコツ
ひらがなで書くと「かしかた」の「し」は右へはらう形をしているので、貸方は右と覚える方法がよく紹介される。仕訳を書くときは、借方と同じく「何が増えたか(減ったか)」を先に考える。たとえば給料20万円を普通預金から支払ったなら、費用の給料が増えるので借方に「給料20万円」、資産の預金が減るので貸方に「普通預金20万円」と書く。貸方には「お金の出どころ」や「減ったもの」が来る、とイメージすると迷いにくい。左右の合計が一致すれば、少なくとも金額の書き間違いはない。
会計ソフトの入力画面でも、右の欄が貸方として並んでいることが多い。クレジットカードの「クレジット」と同じ言葉だが、簿記では単に右側という意味で使われるので、言葉のイメージに引きずられないようにしたい。
関連用語
複式簿記で帳簿の左側を指す呼び名。資産の増加や費用の発生を記録する側で、お金を借りることとは関係ない。英語ではデビットと呼ぶ。
ひとつの取引を借方と貸方の2つの面から左右同額で記録する帳簿のつけ方。集計すると貸借対照表と損益計算書が同時にでき、借入と売上のように利益への影響の違いも区別できる。
現金の受け払いではなく、取引や価値の消費が起きた時点で収益・費用を記録する企業会計の基本ルール。期間の成果を正しく測れる反面、利益と現金の動きがずれる。
帳簿の各勘定の金額を集め、借方と貸方の合計が一致するかを確かめる表。決算書を作る前の点検表で、合計・残高・合計残高の3種類がある。取引の記録漏れは見つけられない。
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