「試算表」とは
帳簿に記録した各勘定科目の金額を一覧にまとめ、借方(左側)の合計と貸方(右側)の合計が一致するかを確かめる表。決算書を作る直前の点検表にあたる。
📌 投資判断のポイント
帳簿の各勘定の金額を集め、借方と貸方の合計が一致するかを確かめる表。決算書を作る前の点検表で、合計・残高・合計残高の3種類がある。取引の記録漏れは見つけられない。
試算表はどういう仕組み?
複式簿記では、ひとつの取引を必ず左右同じ金額で記録する。そのため、記録と転記が正しければ、すべての勘定を集めたときに左右の合計は一致するはずである。試算表はこの性質を使って、仕訳から総勘定元帳への写し間違いや計算ミスを見つける。種類は3つあり、各勘定の借方・貸方の合計額を並べる「合計試算表」、差し引きの残高だけを並べる「残高試算表」、両方を載せる「合計残高試算表」がある。多くの会社は毎月作り、月次の業績確認にも使っている。
試算表の具体例と注意点は?
現金50万円で備品を買ったのに、備品を50万円増やしただけで現金を減らし忘れると、借方の合計が貸方より50万円多くなり、試算表の段階で誤りに気づける。ただし左右が一致しても正しいとは限らない。取引をまるごと記録し忘れた場合や、勘定科目を取り違えた場合(備品を消耗品として記録したなど)は、左右の金額がそろったままなので試算表では見つからない。
決算書との違い
試算表は帳簿の正しさを確かめる社内向けの作業表で、決算整理(減価償却や未払い費用の計上など)を反映する前の数字が並ぶ。決算書は、決算整理を済ませた後の数字を、損益の部分と財産の部分に分けて外部に示す書類である。米国ユタ州の高校の会計科目でも、会計サイクルの7つの手順のうち4番目に「借方と貸方が等しいことを示す試算表の作成」が置かれている。
月次の試算表をどう使うか
中小企業では、顧問の税理士や会計ソフトから毎月の残高試算表を受け取ることが多い。経営者がまず見るとよいのは、売上と主な費用の科目の金額、現金・預金の残高、売掛金と借入金の残高の4点である。前の月や前の年の同じ月と並べると、売上の増減や、売掛金だけが膨らんでいる(代金の回収が遅れている)といった変化に早く気づける。金融機関に融資を申し込むときにも、直近の試算表の提出を求められることがよくある。決算前の数字なので、減価償却費や賞与の引当てが入っていない点は割り引いて読む必要がある。
会計ソフトを使う場合も、試算表を開いて残高がマイナスになっている科目がないかを見る習慣は役に立つ。現金の残高がマイナスなら、入金か出金の記録が抜けている合図である。
関連用語
ひとつの取引を借方と貸方の2つの面から左右同額で記録する帳簿のつけ方。集計すると貸借対照表と損益計算書が同時にでき、借入と売上のように利益への影響の違いも区別できる。
勘定科目ごとに全取引の増減を集めた帳簿で、会社の帳簿の中心。仕訳帳から転記して作り、各科目の残高を一覧にすると試算表になる。補助簿と組み合わせて使う。
帳簿に記録するときの分類の名前で、資産・負債・純資産・収益・費用のいずれかに属する。同じ支出でも資産か費用かの選び方でその年の利益が変わる。
複式簿記で帳簿の左側を指す呼び名。資産の増加や費用の発生を記録する側で、お金を借りることとは関係ない。英語ではデビットと呼ぶ。
複式簿記で帳簿の右側を指す呼び名。負債・純資産の増加や収益の発生を記録する側で、お金を貸すこととは関係ない。英語ではクレジットと呼ぶ。
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