「資本コスト経営」とは
株主や債権者が期待する収益率、つまり資本コストを上回るリターンを稼げているかを軸にして、事業の取捨選択や株主還元を決める経営のことです。
📌 投資判断のポイント
投下資本利益率が加重平均資本コストを上回っているかで事業を評価し、資本の配分を決める考え方です。資本コストは推計した値なので、前提の置き方まで確かめないと比較になりません。
資本コスト経営はどういう仕組み?
物差しになるのは、加重平均資本コストと投下資本利益率の比較です。投下資本利益率が加重平均資本コストを上回っていれば価値を生んでおり、下回っていれば資本を使うほど価値が減っている、と読みます。株式市場との対話では、株主資本コストと自己資本利益率の比較も用いられます。東京証券取引所が上場会社に対して資本コストや株価を意識した経営の実現を要請したことを機に、開示の場面でこの言葉が使われる機会が増えました。
資本コスト経営の具体例と注意点は?
実務では、事業ごとに投下資本利益率を出して資本コストと比べ、下回る事業の縮小や撤退、上回る事業への再配分を検討します。資本コスト自体は推計した値で、前提の置き方によって数値が動く点には注意が必要です。目標値の達成を急ぐあまり、自社株買いで分母を減らすだけの対応に傾くと、成長のための投資が細って中長期の競争力を損なう恐れもあります。開示された数値は、前提と期間まで含めて確かめます。
関連用語
WACCは企業の資金調達コスト。ROICや企業価値評価とセットで使う。
ROICは事業に使った資本から利益を生む力を見る指標。WACCとの比較が重要。
株主資本を使ってどれだけ効率よく利益を出したかを示す指標。企業の収益力の質を測る重要な指標で、PBRとも密接に関係する。
売上高を投下資本で割って、資本がどれだけ効率よく売上を生んだかを見る指標です。投下資本の定義が二通りあるため、他社と並べるときは計算の方法をそろえないと比較になりません。
株価が純資産の何倍かを示す評価指標。割安・割高の判断に使われるが、収益性(ROE)と組み合わせて見ることが重要。
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