「CTD銘柄」とは
国債先物を最終的に受渡しで決済するとき、売り方にとって最も安く引き渡せる国債の銘柄です。Cheapest to Deliverの頭文字で、日本語では最割安銘柄ともいいます。先物の価格は、この銘柄の現物価格を基準に決まる傾向があります。
📌 投資判断のポイント
国債先物の受渡決済で、売り方が引き渡す国債として最も割安になる銘柄。受渡しに使う銘柄は売り方が選べるため、先物の価格はこの銘柄の現物価格に連動しやすい。最割安銘柄とも呼ぶ。
CTD銘柄はどういう仕組み?
大阪取引所の長期国債先物は、表面利率6%・残存10年という実在しない「標準物」を取引対象にしています。実在しないので、最終決済では残存7年以上11年未満の10年利付国債の中から、売り方が任意の銘柄を選んで引き渡します。取引単位は額面1億円です。
銘柄ごとに表面利率や残存期間が違うため、そのままでは価値が比べられません。そこで銘柄ごとに「交換比率(コンバージョン・ファクター)」が決められており、受渡代金は先物価格にこの比率を掛けて計算します。売り方は、現物の購入価格と受け取る受渡代金の差が最も有利になる銘柄を選ぶので、その銘柄がCTDになります。
CTD銘柄の具体例と注意点は?
標準物の6%は実際の市場利回りよりかなり高いため、市場利回りが6%を下回る環境では、受渡適格銘柄のうち残存期間の短い銘柄がCTDになりやすいとされます。先物の値動きはCTDの値動きに近くなるので、先物で金利リスクをヘッジするときは、CTDの残存期間に合わせてヘッジ量を計算します。
市場の利回りが大きく動いたり、新しい銘柄が受渡適格に加わったりすると、CTDが別の銘柄に入れ替わることがあります。入れ替わると先物と現物の関係が変わるため、ヘッジや裁定取引の損益に影響します。財務総合政策研究所の解説でも、日本国債先物は残存7年程度の国債と強い関係を持つと説明されています。先物とCTDの価格差を利用して、現物を買い先物を売る取引はベーシス取引と呼ばれます。
標準物との違い
標準物は取引のために取引所が定めた架空の国債で、CTDは受渡しで実際に使われる現実の国債です。物価連動国債やクライメート・トランジション利付国債は受渡適格銘柄に含まれません。
出典: 日本取引所グループ「国債(JGB)先物 制度概要」、財務省「ファイナンス」2020年1月号「日本国債先物入門:基礎編」
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