手元流動性

企業分析
よみ:てもとりゅうどうせい
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「手元流動性」とは

企業がすぐ使える現金をどれだけ持っているかを、月商との比で見る指標。

📌 投資判断のポイント

安全性を比率ではなく、何か月耐えられるかという時間で測れる点が使いどころ。ただし厚すぎる現金は資本効率を下げ、株主から還元を求められる材料にもなる。事業の振れ幅に見合った水準かどうかを、ネット有利子負債と併せて確認したい。

詳しい仕組み・意味

手元流動性は、現金・預金にすぐ換金できる短期有価証券などを加えた金額を指し、実務では月商(年間売上高を12で割った額)で割って何か月分あるかを見る。流動比率や当座比率が流動負債との比較で支払能力を測るのに対し、手元流動性は売上が止まっても何か月耐えられるかという時間の尺度で見る点に特徴がある。目安は業種や規模によって異なり、大企業なら1か月から1.5か月分、中小企業では2か月から3か月分程度あれば安心とされることが多い。売上規模が小さいほど資金繰りの振れが大きく、厚めの水準が求められる。

具体例・注意点

月商50億円の企業が現金75億円を持っていれば1.5か月分になる。危機のときにはこの厚みが生死を分け、需要が急減した局面で手元資金の薄い企業から資金繰りに行き詰まった例は多い。一方で、過剰な現金は資本効率の低下を意味し、ROEを押し下げる要因として株主から還元を求められることもある。厚ければ厚いほど良いというものではなく、事業の変動の大きさに見合った水準かどうかで判断したい。有利子負債を差し引いたネット有利子負債と併せて見ると、実質的な余力がつかめる。

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