「資本性劣後ローン」とは
返済の順番がほかの借金より後回しになり、返済期間が長く業績に応じて金利が決まるなど、資本に近い性質を持つ借入金。金融機関が会社の状態をみるときに、資本とみなして扱えることがある。
📌 投資判断のポイント
返済の順番が後回しで、期間が長く業績連動の金利などの条件を持つ借入金。金融機関が査定で資本とみなせることがあるが、会計上は負債のままで純資産は増えない。
資本性劣後ローンはどういう仕組み?
金融庁は、償還の条件、金利の決め方、劣後性の3つから資本性借入金にあたるかを判断する考え方を示している。代表的な条件は、契約時の返済期間が5年を超え、期限に一括で返すか長い据え置き期間があること、業績に連動する金利であること、会社が法的に破綻したときにはほかの借金より返済が後回しになることである。こうした条件を満たす借入は、金融機関の査定のうえで資本とみなすことができるとされている。日本政策金融公庫などが、この性質を持つ融資を用意している。
資本性劣後ローンの具体例と注意点は?
会計上、資本性劣後ローンはあくまで負債であり、貸借対照表の純資産が増えるわけではない。資本とみなすかどうかは、お金を貸す金融機関が会社の返済能力を見るときの扱いの話である。また、資本とみなせるからといって、必ずそう扱われるとは限らない点にも注意したい。
資本性劣後ローンと劣後債の違い
どちらも返済の順番が後回しになる点は同じだが、劣後債は債券を発行して多くの投資家から集めるお金で、主に大企業や金融機関が使う。資本性劣後ローンは金融機関から借りる融資で、中小企業も利用しやすい。金融庁のFAQは、契約時の償還期間が5年を超えることなどを資本とみなす条件の例に挙げている。例えば総資産1億円・純資産500万円の会社が資本性劣後ローンを2,000万円借りると、金融機関の査定では自己資本を2,500万円とみて評価できる場合がある。
使うときの注意点
資本性劣後ローンは、返済の順番が後回しになる分、貸し手にとってのリスクが高く、業績が良くなったときの金利はふつうの借入より高めに設定されることが多い。日本政策金融公庫の新型コロナ対策の制度では、当初3年間は一律0.50%で、4年目以降は直近の決算の業績に応じた利率に見直す仕組みだった。期限に一括で返すため、毎年の返済負担は軽いが、期限の年にまとまったお金が必要になる。借りたお金で何をして、期限までにどのように資本を厚くしていくのかを、事業計画の中で示しておくことが大切である。
出典: 金融庁「資本性借入金関係FAQ」
関連用語
劣後債は高い利回りと引き換えに、破綻時の弁済順位が低いというリスクを負う。表面利回りの高さだけで選ぶのは危険で、発行体の信用力や格付け、利払い繰り延べ・早期償還の条件まで読み込む必要がある。安全な債券とは性格が異なる点に注意したい。
自己資本比率は企業の財務安全性を見る基本指標。業種差を踏まえて読む。
返済期限が1年より先にある借入金。固定負債に載る。分割返済のうち次の1年で返す部分は流動負債に移るので、両方を足して借入の合計をつかむ。
中小企業が金融機関から事業資金を借りるときの保証人となる公的機関で、47都道府県と4市にある。返済が滞ると協会が代わりに弁済し、その70〜90%を日本政策金融公庫の信用保険が補う。
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