「事業利益」とは
事業利益は、会社が本業を中心とした事業活動でどれだけ稼いだかを示すために使われる利益の指標です。法令で一つに定められた言葉ではなく、使う場面や会社によって中身が異なります。
📌 投資判断のポイント
本業中心の稼ぐ力を示す利益指標。IFRS採用企業が独自に開示するものと、営業利益に受取利息・配当金を足す分析用のものがあり、定義の確認が欠かせない。
事業利益はどういう仕組み?
国際会計基準(IFRS)を使う日本企業の中には、日本基準の営業利益に近い指標として、売上収益から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いた額などを「事業利益」と名付けて独自に開示する会社があります。IFRSの損益計算書では、固定資産の売却益や減損損失のような一時的な損益も営業利益に含まれやすいため、本業の実力を年ごとに比べやすくする狙いがあります。また経営分析では、営業利益に受取利息や受取配当金を足した額を事業利益と呼び、総資産に対する稼ぐ力を測る総資産事業利益率の分子に使うこともあります。
事業利益の具体例と注意点は?
例えば営業利益が80億円、受取利息と受取配当金が合わせて5億円の会社なら、分析用の事業利益は85億円です。総資産が1,000億円なら、総資産事業利益率は8.5%になります。同じ「事業利益」でも、A社とB社で計算方法が違うことがあるため、決算説明資料や有価証券報告書に書かれた定義を必ず確かめましょう。会社が任意に定義する指標は、都合のよい項目を除いていないか、営業利益や当期純利益との差額の内訳もあわせて見るのが基本です。
事業利益と営業利益の違い
営業利益は、日本基準では売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた額として、損益計算書の区分で決まっています。一方の事業利益は、会社や分析者が目的に応じて定める指標で、決まった計算式はありません。IFRS採用企業の事業利益は一時的な損益を除いた本業の利益、分析用の事業利益は本業に財務の収益を足した利益というように、向いている方向も逆です。比べるときは同じ定義どうしで並べることが前提になります。
決算書のどこを見るか
IFRS採用企業の事業利益は、損益計算書の中に独自の段として載っている場合と、決算説明資料や注記の中だけで示される場合があります。どちらの場合も、会社は営業利益や税引前利益との差額の調整表を示していることが多いので、何を足し、何を除いたのかを必ず確認しましょう。除かれた項目が毎年のように出ているなら、それは一時的ではなく事業の一部だと考えたほうが実態に近いといえます。
関連用語
本業でどれだけ利益を生み出しているかを示す指標。売上から営業コストを引いた利益であり、企業の競争力やビジネスモデルの強さを測る中心的な数値。
IASBが定める国際的な会計基準で、日本では2010年3月期から任意適用が可能。2022年8月末時点で267社が適用・適用予定で、のれんを償却しないなど日本基準と違う点がある。
日本の多くの上場企業が使う決算書のルール。経常利益の区分や、のれんを毎年償却する点がIFRSと違うため、基準の異なる会社を比べるときは利益の見え方の差に注意したい。
本業以外から毎期ふつうに生じる収益で、受取利息・受取配当金・為替差益などが入る。営業利益に加えて経常利益を計算する。臨時の利益は特別利益に分ける。
預金・貸付金・債券などから受け取る利息。損益計算書では営業外収益に入り、キャッシュフロー計算書では営業か投資の区分を選んで継続して載せる。
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