「バーンマルチプル(Burn Multiple)」とは
バーンマルチプルは、1ドルの純増ARRを得るために何ドルのキャッシュを燃やしているかを見る指標。赤字成長中のSaaS企業の資本効率を測るために使われる。
📌 投資判断のポイント
バーンマルチプルはキャッシュ消費と純増ARRの効率を見る指標。赤字成長の質を確認するのに役立つ。
📐 計算式・数値の目安
バーンマルチプル = Net Burn ÷ Net New ARR
詳しい仕組み・意味
Burn Multipleは、Net BurnをNet New ARRで割って計算する。Net Burnは一定期間に実際に減ったキャッシュ、Net New ARRは同じ期間に増えた年間経常収益である。倍率が低いほど、少ないキャッシュ消費で多くの継続収益を積み上げていると考えられる。
たとえば四半期に2億円のキャッシュを消費し、純増ARRが1億円ならバーンマルチプルは2.0倍である。高成長でも、バーンマルチプルが高すぎる場合は、成長を買うために過度な資金を使っている可能性がある。
具体例・注意点
バーンマルチプルが1倍未満なら非常に効率的、1〜2倍なら比較的健全、3倍を超えると資金効率に注意が必要と語られることがある。ただし、事業ステージや市場環境によって許容水準は変わる。
注意点は、分母のNet New ARRが小さいと倍率が大きく跳ねることだ。大型契約の期ずれや一時的な採用投資でも短期的に悪化するため、単四半期ではなく数期間のトレンドで見る。
投資判断での使い方
バーンマルチプルは、キャッシュランウェイと成長投資の質を結びつける指標である。ARR成長率、Sales Efficiency、Rule of 40、フリーキャッシュフロー利回りと組み合わせると、赤字成長が持続可能かを判断しやすい。
関連用語
バーンレートは毎月の現金消費額。成長投資の大きさだけでなく、手元資金が何ヶ月持つか、追加調達や株式希薄化のリスクを読む材料になる。
キャッシュランウェイは手元資金が何ヶ月持つかを見る指標。赤字成長企業では、成長の余地だけでなく増資やコスト削減のタイミングを読む材料になる。
Net New ARRはARRの純増分を見る指標。新規獲得だけでなく、既存顧客の拡張・縮小・解約まで含めて見る。
Sales Efficiencyは販売費を継続収益へ変える効率を見る指標。成長率の高さとコストの重さを同時に確認できる。
40%ルールはSaaS企業の成長率と利益率を合算する経験則。成長だけ、黒字だけでなく、持続可能な成長かを見分ける補助線になる。
フリーキャッシュフロー利回りは、株価に対する現金創出力を見る指標。配当や自社株買いの余力を考える際に有効だが、一時的な投資抑制による上振れには注意したい。
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