無償増資

企業アクション
よみ:むしょうぞうし
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「無償増資」とは

無償増資とは、株主からお金を払い込んでもらわずに新しい株式を発行し、今の株主に持ち株数に応じて配ることです。株主の手元の株数は増えますが、会社に新しいお金は入ってきません。

📌 投資判断のポイント

株主から払い込みを受けずに新しい株式を発行し、持ち株数に応じて配ること。株数は増えるが会社の財産は増えないため、理論上は株価が下がって釣り合う。

無償増資はどういう仕組み?

通常の増資は、株主や投資家からお金を集めて株式を発行します。無償増資はその逆で、払い込みがありません。もともとは、会社の中にたまっている準備金などを資本金に振り替え、それに合わせて新しい株式を配る方法を指す言葉でした。英国などでは「ボーナス・イシュー(bonus issue)」と呼ばれ、株式の発行で積み上がった剰余金を資本に振り替えて株式を配る処理が会計の教科書にも出てきます。日本の現在の会社法では、株主にお金を払わせずに株式を割り当てる「株式無償割当て」(会社法第185条)や株式分割を使って、同じような効果を出します。

無償増資の具体例と注意点は?

例えば「1株につき0.1株」の割合で無償増資をすると、1,000株を持っている株主は1,100株になります。ただし会社の財産は1円も増えていないので、理論上は株価が1.1分の1、つまり約9%下がって釣り合います。1株1,100円だった株なら、理論上は1,000円になり、持ち株の合計額は110万円のまま変わりません。無償増資は「株主へのプレゼント」と言われることがありますが、配当とは違って会社のお金が株主に渡るわけではない点に注意が必要です。

株式分割・有償増資との違い

株式分割は、今ある株式を細かく割って数を増やすもので、同じ種類の株式しか増えません。株式無償割当ては、別の種類の株式を割り当てたり、会社が持っている自己株式を配ったりすることもできます。有償増資(公募増資や第三者割当増資)は、払い込みによって会社の資金が増える点が根本的に違います。

決算書ではどう見えるか

無償増資をしても、貸借対照表の資産と負債の合計は変わりません。変わるのは純資産の中身の内訳だけです。準備金や剰余金を資本金に振り替える場合は、資本金が増えて準備金や剰余金が同じ額だけ減ります。1株当たりの利益や1株当たりの純資産は株数が増えた分だけ小さくなるので、過去の数字と比べるときは株数の変化を調整して見る必要があります。

出典: e-Gov法令検索「会社法」

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