「貸出・預金動向」とは
日本銀行が毎月公表している、国内の銀行と信用金庫の貸出と預金の残高をまとめた統計です。前月分の速報が翌月上旬に出るため、お金の流れの変化を早くつかむ手がかりになります。
📌 投資判断のポイント
日本銀行が毎月上旬に前月分の速報を出す、銀行と信用金庫の貸出と預金の統計。残高はすべて平均残高ベースで、預金は実質預金とCDの合計。前年同月比の変化から資金需要と家計のお金の動きを読み取る。
貸出・預金動向はどういう仕組み?
日本銀行の解説によると、1991年7月から前月の速報値を翌月上旬に公表しており、2013年3月の計数までは「貸出・資金吸収動向等」という名称でした。集計はすべて平残(平均残高)ベースです。平残は1か月間の日々の残高の合計を日数で割ったもので、月末の残高(末残)に比べて期末の一時的な増減をならす効果があります。
貸出は、金融機関向けと中央政府向けを除いた、国内の企業や個人などへの貸出が中心です。預金は「実質預金+CD」で示します。実質預金は表面上の預金から未決済の手形・小切手を差し引いた額で、CDは第三者に譲渡できる自由金利の預金(譲渡性預金)です。
貸出・預金動向の具体例と注意点は?
公表資料には、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫などの業態別に、残高と前年同月比が並びます。貸出の伸びが高まれば企業や家計の借入意欲が強まっていること、預金の伸びが鈍れば家計の資金が投資などへ移っている可能性を示します。
速報性を重視した統計のため、公表後に数値が改訂されることがあります。過去の数値を含めて見るときは、日本銀行の時系列統計データ検索サイトで最新の値を確かめます。最近では2026年9月8日に8月分の速報が公表されました。為替変動や債権償却など5つの要因を調整した特殊要因調整後の計数も掲載されていますが、一定の仮定を含む推計値として幅をもって見る必要があります。
マネーストック統計との違い
マネーストック統計は、企業や個人、地方公共団体などが持つ通貨の量を、ゆうちょ銀行などを含む幅広い金融機関について集計し、世の中に出回るお金の総量を示します。貸出・預金動向は銀行と信用金庫に絞り、貸出と預金を同じ表で見られるのが特徴です。全国銀行協会の預貸金速報なども、集計対象や平残と末残の別が違うため、数字を並べるときは定義をそろえます。
関連用語
中央銀行が供給した量と、実際に世の中を回っているお金の量は別物として見る。マネタリーベースが急増しても、当座預金に滞留したままなら物価や景気への波及は鈍い。マネーサプライの伸びと並べて、どこで資金が止まっているかを確認したい。
第三者へ譲渡できる大口の預金証書で、満期前でも市場で売却できる。名前に預金と付くが預金保険の対象外であり、破綻時に元本1,000万円までを保護する仕組みは働かない。
金融機関が貸出に慎重になり、返済能力のある企業まで資金を借りにくくなる状態。1997年の金融危機や2008年のリーマン・ショック後に起き、投資や雇用の減少を通じて景気の悪化を深める。
中央銀行が意図的に操作する「金利の出発点」。FF金利(米)・コール翌日物(日)が代表。interest-rate(金利全般)の中でも中央銀行が直接動かす金利で、株・為替・住宅ローンまで連鎖的に動かす。
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