信用収縮

金融政策
よみ:しんようしゅうしゅく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「信用収縮」とは

金融機関がお金を貸す姿勢を急に慎重にし、企業や家計が必要な資金を借りにくくなる状態です。英語では「クレジット・クランチ」と呼ばれます。資金の流れが細ることで設備投資や雇用が減り、景気の悪化を深める要因になります。

📌 投資判断のポイント

金融機関が貸出に慎重になり、返済能力のある企業まで資金を借りにくくなる状態。1997年の金融危機や2008年のリーマン・ショック後に起き、投資や雇用の減少を通じて景気の悪化を深める。

信用収縮はどういう仕組み?

金融機関は、預金などで集めたお金を企業や個人に貸し出しています。ところが、貸出先の倒産で損失が膨らんだり、保有する株式や不動産の価格が下がって自己資本が目減りしたりすると、新たな貸出を増やす余力がなくなります。自己資本比率の規制を守るために、貸出そのものを減らす動きも出てきます。

こうして返済能力のある企業まで資金を借りにくくなる状態が信用収縮です。借りられない企業は投資を見送ったり、手元資金を確保するために支出を削ったりします。それが売上の減少を通じて別の企業の業績を悪化させ、金融機関の損失がさらに膨らむという悪循環に陥りやすいのが特徴です。

信用収縮の具体例と注意点は?

日本では、1997年11月に北海道拓殖銀行や山一證券が相次いで破綻した前後に、金融機関の「貸し渋り」が社会問題になりました。2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻後には、世界の金融市場で銀行どうしの資金のやり取りが細り、信用収縮が国境を越えて広がりました。

中央銀行は、こうした局面で金融機関に資金を大量に供給したり、政府が公的資金で自己資本を補ったりして、貸出の余力を回復させようとします。ただし、金融機関に資金があっても、貸出先の業績が見通せなければ貸出は戻りません。資金の量だけでは解決しにくい点に注意が必要です。

金融引き締めとの違い

金融引き締めは、中央銀行が物価の安定などを目的に、政策金利を引き上げて意図的に資金の流れを抑える政策です。信用収縮は、金融機関の財務の悪化など市場の側で起きる現象で、政策の意図とは関係なく進みます。前者は中央銀行が調整できますが、後者は中央銀行が緩和しても止まりにくいことがあります。

信用収縮の兆しは、日本銀行の短観にある「金融機関の貸出態度判断DI」などで確かめられます。貸出に「厳しい」と答える企業が「緩い」と答える企業を上回ると、この指数はマイナスになり、資金の借りにくさが広がっている合図になります。

出典: 日本銀行「金融システムレポート」

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