活動基準原価計算

企業分析
よみ:かつどうきじゅんげんかけいさん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「活動基準原価計算」とは

活動基準原価計算とは、製品ごとの原価を、その製品を作るためにどんな「活動」をどれだけ使ったかに基づいて計算する方法です。英語の Activity-Based Costing の頭文字から、ABC とも呼ばれます。

📌 投資判断のポイント

間接費を段取りや検査などの活動ごとに集め、各製品がその活動をどれだけ使ったかで割り当てる原価計算。ABCとも呼ばれ、製品ごとの手間の差を原価に反映できる。

活動基準原価計算はどういう仕組み?

工場には、機械の段取り替え、品質検査、部品の発注といった、特定の製品に直接ひも付けにくい費用(間接費)がたくさんあります。従来の方法では、こうした間接費を作業時間や機械の稼働時間といった一つの基準で製品に割り振ることが多くありました。活動基準原価計算では、まず間接費を活動ごとに集め、次に「段取り回数」「検査回数」「発注件数」など、その活動の量を表す物差し(コスト・ドライバー)で製品に割り当てます。1980年代後半に米国で広まった考え方で、多品種少量の生産で原価がゆがむ問題に対応するために使われてきました。

活動基準原価計算の具体例と注意点は?

段取り替えの費用が年300万円かかり、製品Aは10回、製品Bは20回の段取りが必要だったとします。1回あたり10万円なので、Aに100万円、Bに200万円を割り当てます。もし作業時間で割り振っていて、Aの作業時間が長かったとすると、Aに多くの費用が乗り、手間のかかるBの原価が実際より安く見えていたかもしれません。こうした見え方の違いが、値決めや、どの製品に力を入れるかの判断に影響します。

従来の配賦方法との違い

従来の方法は、計算が簡単で手間がかからない一方、製品ごとの手間の差を拾いにくいという弱点があります。活動基準原価計算は実態に近い原価が分かる一方で、活動の洗い出しやデータ集めに手間とコストがかかります。すべての費用を細かく追うのではなく、金額が大きく製品ごとの差が出やすい活動から取り入れるのが現実的です。

製造業以外での使われ方

活動基準原価計算は工場だけでなく、銀行や病院、物流などのサービス業でも使われています。例えば物流なら、荷物1個あたりの費用を「ピッキングの回数」「配送先の数」「返品の件数」といった活動に分けて計算します。そうすると、小口で配送先が多い取引先ほど費用がかさんでいることが見えてきます。顧客ごとの採算を見直したり、手間のかかる作業を減らしたりする改善のきっかけとして使われています。ただし、活動の分け方を細かくしすぎると、計算の手間が成果に見合わなくなる点には注意が必要です。

関連用語

「決算書・会計」の他の用語

「決算書・会計」の用語一覧へ →

🏷 関連タグ

原価計算 管理会計 間接費 ABC

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る