「変動証拠金」とは
デリバティブ取引で、日々の時価の変動によって生じた損益に見合う額を、取引の相手方や清算機関との間でやり取りする証拠金です。損が出た側が差し入れ、益が出た側が受け取ることで、相手が破綻したときの損失を小さく抑えます。
📌 投資判断のポイント
デリバティブ取引で日々の時価変動分を相手方と受け渡す証拠金。損が出た側が差し入れ、益が出た側が受け取ることで、相手方が破綻したときの損失を小さく抑える。
変動証拠金はどういう仕組み?
デリバティブは契約から満期まで時間があり、その間に時価が大きく動きます。損が積み上がったまま相手が破綻すると、得をしていた側は利益を回収できません。そこで毎日、または一定の頻度で取引を時価評価し、前回からの変動分を現金や国債などで受け渡します。こうして未決済の損益をこまめに清算しておくのが変動証拠金の役割です。
先物取引の「値洗い」も同じ考え方で、取引所に預けた証拠金が日々の損益に応じて増減します。店頭デリバティブでも、2008年の金融危機をきっかけに、清算機関を通した取引や、相手方との間で証拠金を交換する仕組みが国際的に広がりました。
変動証拠金の具体例と注意点は?
想定元本10億円の金利スワップで固定金利を払っている企業を考えます。金利が下がってスワップの時価がマイナス300万円になると、企業は300万円の変動証拠金を差し入れます。翌日に金利が戻って時価がマイナス100万円になれば、差額の200万円が返ってきます。
相場が急に動いた日には、まとまった変動証拠金を短時間で用意しなければなりません。損益が最終的に確定していなくても資金が出ていくため、デリバティブを使う企業や金融機関は、証拠金のための手元資金を確保しておく必要があります。
当初証拠金との違い
当初証拠金は、取引を始めるときに、将来起こりうる損失に備えてあらかじめ預けておく担保です。変動証拠金は、すでに発生した時価の変動分を受け渡すものです。当初証拠金が将来の損失への備え、変動証拠金が過去の損益の清算と考えると区別しやすくなります。
FXや株価指数先物のように個人が使う証拠金取引でも、日々の損益で口座の証拠金が増減する仕組みは同じです。損失で証拠金が一定の水準を下回ると、追加の入金を求められたり、ポジションが強制的に決済されたりします。証拠金で取引をするときは、相場が不利に動いた場合にいくら必要になるかを事前に試算し、余裕を持った資金で取引することが基本です。
関連用語
取引の相手が履行できなくなり、受け渡しや支払いを受けられなくなるリスクです。取引所や清算機関を挟まない相対の取引ほど、影響がそのまま自分に返ってきます。
追証はレバレッジ取引で避けたい状態。追加資金を入れられないと強制決済されるため、維持率、余裕資金、損切りルールの管理が欠かせない。
同じ通貨の固定金利と変動金利などを交換する取引で、元本は交換せず利息の差額だけを受け渡す。円ではTONAが変動金利の指標で、借入金利の固定化や金利リスクの調整に使われる。
先物取引は将来価格を売買する取引。ヘッジにも使えるがレバレッジリスクが大きい。
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