「付加価値率」とは
売上高のうち、企業が自ら生み出した付加価値がどれだけの割合を占めるかを示す指標です。付加価値額を売上高で割って求め、外部から買ってきたものに頼らず、自社でどれだけの価値を加えているかを表します。
📌 投資判断のポイント
付加価値額を売上高で割った割合で、売上のうち自社で生み出した価値の比率を示す。卸売業では低く、技術やサービスを強みとする企業で高くなりやすく、同業比較が基本になる。
付加価値率はどういう仕組み?
付加価値額は、人件費、支払利息、賃借料、租税公課、利益などの合計として求める方法と、売上高から原材料費や外注費など外部から購入した費用を差し引いて求める方法があります。付加価値率が高い企業は、売上の多くを自社の人材や技術で生み出していると読めます。
付加価値率は業種による差が大きい指標です。仕入れた商品をそのまま販売する卸売業では一般に低く、人の手でサービスを提供する業種や、独自の技術で製品を作る企業では高くなる傾向があります。そのため、比べるときは同じ業種の企業どうしで見ることが基本です。
付加価値率の具体例と注意点は?
売上高50億円の会社で、原材料費や外注費などの外部購入費が40億円なら、付加価値額は10億円で、付加価値率は20%です。同じ売上高50億円でも、外部購入費が30億円の会社は付加価値額20億円、付加価値率40%となり、自社で生み出す価値が2倍あることになります。
外注を増やして社内の人件費を減らすと、利益率が上がっても付加価値率は下がることがあります。逆に内製化を進めると付加価値率は上がりますが、固定費が増えて景気の悪化に弱くなる面もあります。数値の上下だけでなく、その背景にある経営の判断も合わせて読むことが大切です。
売上総利益率(粗利率)との違い
売上総利益率は、売上高から売上原価を引いた粗利益の割合です。売上原価には工場で働く人の人件費なども含まれるため、粗利益にはその人件費が入っていません。付加価値率は人件費を付加価値の一部として含めるので、同じ会社でも粗利率とは一致せず、人を多く使う事業ほど両者の差が大きくなります。
付加価値率は、労働分配率や労働生産性と組み合わせて使われることが多い指標です。付加価値額のうち人件費に回った割合が労働分配率で、付加価値率が高くても労働分配率が高すぎれば利益は残りません。賃上げの余力を考えるときは、付加価値率でどれだけ価値を生んでいるかを確かめたうえで、その配分の仕方を見るのが順序です。投資家が企業を見るときも、売上の伸びだけでなく、付加価値率が維持されているかを確認すると、値下げで売上を稼いでいないかを見分けられます。
関連用語
企業分析 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。