付加価値額

企業分析
よみ:ふかかちがく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「付加価値額」とは

企業が事業を通じて新たに生み出した価値の大きさを示す金額です。売上高から、ほかの企業から買い入れた原材料や部品、外注費などを差し引いた残りにあたり、人件費や利益、利息、税金などの形で関係者に配分されます。

📌 投資判断のポイント

売上高から外部から買い入れた原材料や外注費などを除いた、企業が自ら生み出した価値の大きさ。法人企業統計では人件費・支払利息等・賃借料・租税公課・営業純益の合計で求める。

付加価値額はどういう仕組み?

付加価値額の求め方には、差し引く「控除法」と、配分先を足し上げる「加算法」があります。財務省の法人企業統計調査では加算法を使い、人件費、支払利息等、動産・不動産賃借料、租税公課、営業純益を合計して付加価値額としています。

加算法で見ると、企業が生んだ価値が誰に渡ったかが分かります。人件費は従業員と役員へ、支払利息等はお金を貸した金融機関へ、賃借料は設備や建物の貸し手へ、租税公課は国や自治体へ、営業純益は株主や会社の内部へ配分されたものです。国全体の付加価値を足し上げたものが、GDP(国内総生産)の考え方の土台になっています。

付加価値額の具体例と注意点は?

たとえば、ある会社の1年間の人件費が6億円、支払利息等が5,000万円、賃借料が1億円、租税公課が5,000万円、営業純益が2億円なら、付加価値額は10億円です。このうち人件費の6億円が占める割合は60%になります。

売上高が大きくても、原材料や商品の仕入れが多い業種では付加価値額は小さくなります。卸売業と製造業のように仕入れの比重が違う業種どうしを、売上高だけで比べると企業の実力を見誤ります。付加価値額は、業種の違いを超えて「自社で生み出した価値」を比べるための物差しとして使われます。

売上総利益(粗利益)との違い

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた金額です。売上原価には製造に携わる従業員の人件費なども含まれるため、粗利益には人件費の一部が入っていません。付加価値額は人件費を配分先として全額含めるため、同じ会社でも粗利益とは一致しません。

付加価値額を従業員数で割ると、1人あたりの付加価値額、つまり労働生産性が求められます。付加価値額10億円の会社の従業員が100人なら、1人あたりは1,000万円です。賃上げの余力を考えるときの基礎になる数値です。

出典: 財務省 財務総合政策研究所「法人企業統計調査」

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