評価性引当額

企業分析
よみ:ひょうかせいひきあてがく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「評価性引当額」とは

繰延税金資産のうち、将来の税金を減らす効果が見込めないと判断して、資産として計上しなかった部分の額です。有価証券報告書の税効果会計の注記に記載されます。

📌 投資判断のポイント

繰延税金資産のうち、将来の税金を減らす効果が見込めないとして計上から外した額。税効果会計の注記に載る。増減がそのまま当期純利益を動かすため、業績の見通しを会社がどう見ているかが表れる。

評価性引当額はどういう仕組み?

会計上の利益と税務上の所得にずれがあると、将来の税金を前払いしたのと同じ状態が生まれます。これを資産として計上したものが繰延税金資産です。たとえば税務上の繰越欠損金があれば、将来の黒字と相殺して税金を減らせるため、その分を資産とみなします。

ただし、将来の税金が減るのは、将来に課税所得が生まれる場合に限られます。赤字が続く見込みの会社では、税金を減らす効果は実現しません。そこで、回収できる見込みのない部分を繰延税金資産から差し引きます。この差し引いた額が評価性引当額です。回収できるかどうかの判断は、過去の業績や将来の見通しに応じて、企業会計基準適用指針第26号の5つの分類に沿って行います。

評価性引当額の具体例と注意点は?

繰延税金資産の合計が100億円で、そのうち40億円を回収できないと判断すれば、評価性引当額は40億円で、貸借対照表に載る繰延税金資産は60億円です。

翌期に業績が回復して、この40億円のうち30億円を回収できると判断を変えると、評価性引当額は10億円に減ります。減った30億円は法人税等調整額を通じて税金費用を減らし、当期純利益を30億円押し上げます。本業の利益が変わらなくても純利益が大きく増えるため、増益の理由が評価性引当額の取り崩しでないかを確かめる必要があります。反対に評価性引当額を積み増すと、純利益は大きく減ります。

業績が悪化した会社が、決算期末に繰延税金資産を一括で取り崩すと、評価性引当額が急増して最終赤字が膨らみます。このとき減った資産はそのまま純資産の減少になるため、自己資本比率が数ポイント下がることもあります。銀行など自己資本の規制を受ける業種では、繰延税金資産の回収可能性の判断が、配当や増資の判断にまで影響します。

繰延税金資産との関係でみるポイント

評価性引当額が大きいことは、会社自身が将来の課税所得を慎重に見積もっていることを意味します。注記の「評価性引当額」の前期比の増減と、会社が公表する業績予想の方向が食い違っていないかを見ると、見積もりの一貫性を確かめる手がかりになります。

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